(原因と症状を克服するための方法)

  • 1.はじめに

    人前で緊張したり、人から変に思われるのではないかと思い、人と話すのが怖いと感じてしまう人も多いことと思います。

    かつて、私自身も、このような人間関係に関することで悩んでいた時期がありました。

    その頃は、まだインターネットといったものもなく、私は誰に相談して良いかも分からず徒方にくれていました。

    幸い今はインターネットがありますので、人前での緊張といった悩みのことも検索すれば情報が得られる時代になっていると思います。

    今、このページをご覧になっているあなたも、もしかしたら、かつての私と同じように、人前で緊張するとか、人と話すのが怖いといったことで悩んでいるのではないかと思います。

    もし、そうであれば、このページの内容は、きっとあなたの参考になると思います。

    このページは、今、実際に人前での緊張や不安といったことに悩んでいる人が、その悩みを乗り越えていく上での参考にして頂ければと思い、私自身の経験も含めて書かせていただいております。

    ですから、このページの内容を、あなたの今の悩みの克服のための参考にして頂ければと思っております。

  • 2.対人恐怖症とは

    この症状は、社会不安障害などとも言われますが、人前で緊張し思うように話が出来なくなってしまうとか、人の目を見て話すことが出来ない、顔が赤くなってしまう、人の視線が気になってしまう、といった形で現れてくる、強迫神経症の中でも特に日本人に多く見られる心の悩みです。

    日本のような集団行動を重視する社会においては、アメリカなどの個人主義の国に比べ、人間関係が崩れることは、社会的な死を意味するほどであり、この「社会的な死の恐怖」から対人恐怖症の症状が起こりやすくなっているのではないかと思います。

    なお、この症状は、あがり症や、コミュニケーション障害などと呼ばれている症状と実質的には同じことになります。(詳しい内容は後で書かせて頂きます。)

    対人恐怖症には色々な症状の現れ方がありますが、いずれの症状も、人から変に思われるのではないかとか、嫌われたらどうしようといった人間関係の不安が根底にあると言えます。

    つまり、人から良く思われたいとか、好かれたいという欲求が強ければ強いほど、人から変に思われたり、嫌われたらどうしようという不安も強くなるものなのです。

    つまり、人見知りをするとか、人に気を使うということは、誰にでも多かれ少なかれあるものですが、これが過度に強くなり、人から変に思われたらどうしようという「とらわれ」が出来、心の悩みになっているのが対人恐怖症に悩んでいる状態だと言っても良いのではないかと思います。

    また、この症状に悩んでいる人は、かつての私もそうでしたが、悩みを治すために、性格の治し方や心理学関係の本を読んだりするものです。

    また、催眠や自己暗示といった民間療法で治すことを試みたり、宗教的な修行に救いを求めたりすることも多いように思います。

    しかし、このような対人恐怖症の症状だけに目を向け、これを治そうとする方向の行動は森田療法で言っている気分本位の「はからい」の行動になりますから、こういう行動を取れば取るほど、逆に、かえって症状を強くしてしまうものなのです。

    なお、最近は対人恐怖症の場合でも精神科や神経科、心療内科などの病院で診てもらうと、社会不安障害や社交不安症、中にはうつ病などと診断され、抗うつ薬や抗不安薬、精神安定剤などの薬で治療されることが多くなってきたように感じます。

    そして、このために、抗うつ薬や抗不安薬、精神安定剤などの薬物依存の問題も起こりやすくなっているのではないかと思います。

    つまり、本来、薬を飲まなくても良い人が何年にも渡って薬を飲まされている例が多くなっているように思います。

    また、後で詳しく書かせて頂きますが、最近、テレビや新聞などのマスコミで目にすることの多くなった発達障害とかコミュニケーション障害、アスペルガー症候群と言われている症状の中には対人恐怖症の場合が、かなり含まれているように思います。

    しかし、対人恐怖症は障害とか病気とは全く異なりますので、誤解しないようにしていった方が良いと思います。

  • 3.症状のチェック

    対人恐怖症の具体的な現れ方をまとめると下記のようになります。

    神経質性格の特徴を持ち、下記のチェック項目のいくつかに思い当たる人は対人恐怖症になっている可能性が高くなると思います。

    1.仕事や雑談に限らず、人の目を見て話せない。
    2.話すのが怖いために、人に会うのが辛い。
    3.一対一で話す時に相手の目を見れないことがある。
    4.周りの目が気になるために、職場で電話をかけられない。
    5.恥ずかしくて人の顔が見られないことがある。
    6.人と会った後に疲れたり、落ち込んだりすることが多い。
    7.人の目が気になり、怖いと感じてしまう。
    8.自分の容姿や性格に自信がないため、人の顔を見て話せない。
    9.劣等感が強く、人と会った後に自己嫌悪に陥ることが多い。
    10.人の視線が怖いと感じることが、よくある。
    11.変に思われているのではないかと感じ、異性や目上の人と喋るのが怖い。
    12.会社や学校で休憩時間に雑談するのが緊張する。
    13.朝礼で人前で話すのが嫌で会社を辞めてしまった。
    14.周りの目を気にし自分を出せないことが多い。
    15.街中やお店などで知っている人を避けてしまう。
    16.また嫌な思いをするのではないかと感じ、人に会うのが不安。
    17.会社の上司や同年代の異性など、苦手な相手と仕事などで接する時に顔が赤くなってしまう。
    18.バイト先などで周りの人の視線が気になり、ぎこちなくなったり、仕事に集中出来なくなる。
    19.仕事や勉強自体は自信があるが、内向的な性格のことや人付き合いが苦手なことで劣等感を感じている。
    20.会議や朝礼などで発表しなければならない時に、また緊張してしまったらどうしようと不安や恐怖を感じ憂鬱になってしまう。
    21.会社の上司や異性の同僚と接する時に変に思われるのではと不安になってしまう。
    22.自信家タイプの苦手な同僚と仕事をする時などに緊張し疲れてしまう。
    23.仕事で重要な書類を書く時や、結婚式や葬式などの記帳の時に手が震えてしまう。
    24.朝礼の司会や発表会の当事者になった時などに緊張し、足や手が震えてしまう。
    25.人前で笑う時に顔が引きつったり、ゆがんでしまうために変に思われるように感じる。
    26.自分の表情が不自然で暗く周りの人から嫌われているように感じる。
    27.自分の容姿が醜く他人からブスとか可愛くないと思われているように感じ辛い。
    28.仕事でお客様と話す時などに汗が異常に出てしまうために変に思われるように感じる。
    29.学校の先生や仕事の上司、異性の同僚などと面と向かって話す時に目のやり場に困ってしまう。
    30.仕事やプライベートの電話で話す時などに最初の言葉が出ず、言葉が詰まってしまう。
    31.バイト先や学校の休憩時間などで、みんなが話している時に話の輪に入れない。
    32.職場や教室、乗り物に乗っている時などに、おならが漏れてしまい、周りの人から嫌がられているように感じる。
    33.仕事中や授業中など周りが静かな時に唾を飲み込む音が他の人に聞こえ嫌がられてしまう。

  • 4.対人恐怖症に含まれる神経症の主な症状

    上記のチェック項目にも書かせて頂きましたが、神経症の症状の中には対人恐怖症に含まれるものも多いため、代表的なものを紹介させて頂きます。

    1)赤面症
    これは会社の上司や同年代の異性といった苦手な人の前で顔が赤くなってしまうことで悩む症状です。
    私自身も中学生の頃に顔が赤くなってしまうことで悩んでいた経験があります。
    毎週、月曜日になると校庭で朝礼があり、整列して並ぶようになっていましたが、私の場合は耳たぶが赤くなることで、後ろの生徒に変に思われると感じ、辛い思いをしていました。
    このように赤くなる場所は耳たぶだったり、頬だったりと人によって違ってきますが、共通しているのは赤くなることで周りの人から変に思われるに違いないと思っていることなのです。

    2)視線恐怖
    これは人の視線が気になり体が固まったりしてしまう症状になります。
    人の視線のことが常に気になっているために、行動がぎこちなくなったり、窮屈に感じることも多いと思います。
    また、上記のチェック項目の中にも書かせて頂きましたが、このために、会社などで思うように電話をかけることが出来なかったりすることも多いものなのです。

    3)多汗症
    これは人と話している時などに必要以上に汗が出てきてしまうという症状になります。
    営業の仕事をしている人の場合であれば、お客様と話している時に額や頭に異常に汗をかいてしまうといった形で現れてきます。
    また、若い女性の場合であれば、脇汗が多量に出てしまい、ブラウスに汗染みが出来てしまうことで悩んでいる人も多いと思います。
    汗の悩みの場合は、一見、対人恐怖症とは関係ないように思われるかもしれませんが、これも汗によって人から変に思われるのではないかという不安を感じるという点で対人恐怖症に含まれる症状になります。

    4)書痙
    これは「しょけい」と読みますが、人前でサインをする時などに手が震えてしまうという形で現れる症状になります。
    結婚式やお葬式の記帳などの場で起こることの多いものです。
    また、役所や銀行などで担当者の前で書類を書く時などに、手が震えるのではないかと不安になり、思うように書けなくなってしまうことも多いものです。
    なお、この手の震えに悩む人の場合は、対人面での緊張や不安はあまり感じていないことが多いという特徴があります。
    つまり、私の今までの経験からは、人付き合いなど、人間関係においては特に支障が見られず、人まで文字を書く時の震えだけが問題になっているケースが多いように感じます。

    5)劣等感
    これは他の神経症の症状の場合にも見られますが、対人恐怖症に悩んでいる時には、特に顕著に見られると思います。
    内向的でおとなしいと周りの人から言われ、小さい頃から心に傷をつけてきた人が多いのではないかと思います。
    私自身も、この一人ですが、口下手で無口なことで、非常に強い劣等感を抱えていた時期があります。

  • 5.対人恐怖症と実質的に同じである症状名

    新しい名称が付くと、新しい病気のように感じてしまいますが、下記の症状は実質的に対人恐怖症場合が大部分を占めていると思います。

    1)あがり症
    大勢の人前で話すような時にあがってしまうというのが、この症状ですが、森田療法においては対人恐怖症の中の1つの症状だと位置づけられています。

    2)社会不安障害
    1994年に、アメリカ精神医学会によって出版されたDSM-IV(精神障害の分類のための基準)において新たに用いられるようになった名称であり、2008年に日本精神神経学会において訳語を変更し社交不安障害と呼ばれるようになりましたが、まだ、現在では、この名称が使われることが多いと思います。
    なお、社交不安症も同じ意味になります。

    3)コミュニケーション障害
    2013年にアメリカ精神医学会によって出版されたDSM-5(精神障害の分類のための基準)において新たに用いられるようになった名称ですが、ここ数年、インターネットの掲示板やSNSで「コミュ障」という言葉として普及しています。

    5)場面緘黙症
    これは、ある特定の場面においてだけ話せなくなってしまう人見知り状態が長く続く場合に使われることが多いと思います。
    そして、小学生位の子供に対して使われることの多い名称だと思います。

    6)緊張症
    人前で緊張し、身動きが取れなくなったり、ぎこちなくなってしまうというところから、この名称が使われることもあるようです。
    ただ、緊張病(カタトニア)とは全く異なります。

  • 6.原因

    対人恐怖症にどうしてなるかということですが、森田療法では2つの要因があると言っています。

    1つは「外的要因」と言われているものであり、学校の授業中に突然指名され発表する時に声が震えてしまったというような、恥ずかしくショックな出来事が「キッカケ」になることが多いものなのです。

    そして、もう1つは「内的要因」と言われているものですが、不安や緊張などの感情や、赤面や震えなどの症状に対する「誤った考え方」というものが挙げられます。

    つまり、人前で緊張したり声が震えてしまうことを、人から変に思われる恥ずかしいことであり、絶対にあってはならないことだという「誤った考え方」があると、かえって緊張や声の震えの症状の方に注意が向いてしまうことになるのです。

    そして、この結果、注意と症状の悪循環が起こり、対人恐怖症の症状を、ますます強くしてしまうものなのです。

    そして、こういう「誤った考え方」や認識は神経質性格の特徴を持っている人に起こりやすいものなのです。

    ですから、対人恐怖症の症状は「外的要因」が「キッカケ」になり、神経質性格や感情や症状に対する「誤った考え方」などの「内的要因」によって、ますます強くしてしまうと考えて良いと思います。

    このため、この2つが対人恐怖症の原因だと言って良いと思います。

    つまり、脳とか神経の異常が原因ではありませんので、安心して下さい。

  • 7.対人恐怖症と似た症状の起こる病気について

    人前で緊張するとか、人と話すのが怖いといった症状は器質的な異常から起こる場合もありますので、参考までに主な病気を挙げさせて頂きます。

    1)統合失調症
    この症状において陰性症状が出ている時は自閉や引きこもり、言葉を話せなくなってしまうといった状態が起こり、人との会話を避けたり、人前で不安になりやすくなるため、対人恐怖症と誤解されやすいのだと思います。

    2)気分障害
    これは、いわゆる、うつ病ということになりますが、精神科や心療内科の病院で最も誤診されやすいのが、この症状のように思います。
    うつ状態が強い時は人の目が気になったり、人と話すのが億劫になったり、人を避けたりする傾向が強くなり、一見、対人恐怖症と見分けの付かない場合が多いと思います。
    しかし、この症状の場合は、基本的には他人本位の傾向が強いために、自分のせいで人に迷惑をかけるといった考え方になるものなのです。
    つまり、人から変に思われたらどうしようという不安は少ない傾向があると思います。

    3)アスペルガー症候群
    これは知的障害を伴わない発達障害の一種だと言われていますが、この診断基準が対人恐怖症と重複している部分がかなり多いように思います。
    そして、このために、インターネットで調べて、自分のことをアスペルガーだと誤解してしまっている人が増えているように思います。

    4)発達障害
    この症状に含まれるADHDと呼ばれる注意欠陥、多動性障害の場合に、対人恐怖症に似た症状が出るため、誤解されることが多いように思います。
    インターネット上に公開されている診断基準などを見て、自分はADHDに違いないと思い込んでいる人も多いように思います。

  • 8.克服方法

    先ほども書かせて頂きましたが、今は精神科や心療内科の病院などに行くと、対人恐怖症の場合でも社会不安障害やうつ病と診断され、薬による治療をされるのが一般的になっていると思います。

    しかし、症状の原因のところでも書きましたが、対人恐怖症は注意と症状の悪循環によって「とらわれ」が出来、この結果として症状が強くなるものなのです。

    ですから、いくら抗うつ薬や抗不安薬、精神安定剤などの薬を飲んで強制的に不安や緊張を感じにくくしても、こういう治し方では根本的には治らないものなのです。

    つまり、対人恐怖症の症状に悩んでいる時は、人間関係に伴う緊張や不安、症状を感じて当然の時でも、これを異常なものとか、恥ずかしいことと考え、邪魔者扱いし排除しようとしていることが多いものです。

    しかし、このために、ますます緊張や不安、症状を強くしてしまうという「悪循環」に陥っているものなのです。

    ですから、まず、今は、対人恐怖症に悩んでいる最中だから人前での緊張や不安、症状を感じて当然なんだと受け止めるようにしていくのが第一歩になると思います。

    そして、この上で、目の前の「なすべきこと」を1つ1つ、きちんとこなすようにしていくと良いのだと思います。

    つまり、これが森田療法で言っている目的本位の行動ということになるのです。

    そして、このように目的本位に行動していくことで、その時の緊張や不安、症状を「あるがまま」に受け止めることが出来るものなのです。

    そして、この積み重ねの中で少しずつ症状が改善してくるものなのです。

    つまり、目的本位や「あるがまま」など、森田療法の考えを意識しながら行動していく中で、緊張や不安、症状が少しずつ小さくなり、この積み重ねの結果として、対人恐怖症の症状を克服していくことが出来るものなのです。

    ですから、薬を飲まなくてもMTカウンセリングを通して森田療法の学習をしていく中で、充分、人前での緊張や人と接していく上での不安を克服していくことが出来るものなのです。

  • 9.まとめ

    人前で緊張するとか、人と話すのが怖いといった対人恐怖症のことについて、色々書かせて頂きましたが、思い当たるところがあったでしょうか。

    もし、思い当たるところがあったということであれば、このサイトの無料診断のページから、今の悩みや症状のことなどを書いて、お問い合わせを頂ければ、今のあなたの悩みがMTカウンセリングに適用できるかどうかを判断させて頂きますので、お気軽に、ご利用下さい。

  • なお、もし、このページの内容が参考になりましたら、下のボタンから共有して頂けると嬉しいです。

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