(悩みの原因と改善法の解説)

  • 更新日 2021.08.03
  • 1.笑顔恐怖症とは

    笑うと顔がひきつる悩みである笑顔恐怖症は自分の顔の「こわばり」や「ひきつり」のために、うまく笑えないことで人から変に思われると感じてしまう状態を言います。

    また、笑うと顔がひきつることに悩んでいる時は、人前で緊張してしまい、ほほの「こわばり」や「ひきつり」に注意が向き、顔がぴくぴく動いてしまうことで自然にうまく笑えないという状態になっている人が多いものです。

    特に若い女性で笑うと顔がひきつることで笑顔が苦手になって悩んでいる人が多いように感じます。

    なお、この笑うと顔がひきつる悩みも人から変に見られるのではないかという不安が、その根底にありますので対人恐怖症に含まれるものだと言って良いと思います。

    また、笑顔恐怖症に似た症状で、葬式など笑ってはいけないような場所で笑ってしまい周りの人たちから変に思われると感じる失笑恐怖と言われているものもあります。

  • 2.原因

    笑顔恐怖症は笑った時に顔がひきつったり、こわばることで、相手から変に思われるのではないかと不安を感じるものなのです。

    たまたま、何かの機会に人と話すときに顔がこわばるとか、顔がひきつることで、うまく笑えない状態になり、これがキッカケになって起こるようになることが多いものなのです。

    森田療法では、このキッカケになる出来事を外的要因と言っています。

    そして、この外的要因にプラスして、不安や緊張といった感情に対する誤った認識に引きずられ気分本位の行動を繰り返してしまうことで、「とらわれ」を強くし笑顔が苦手になってしまうものなのです。

    つまり、人と話すときに顔がひきつることやこわばることで、うまく笑えないというところだけに目を向け、これを無くそうとして薬を飲んだりすることで、逆に余計に、「とらわれ」を強くしてしまうものなのです。

    これが内的要因ということになるのですが、この2つの要因が笑顔恐怖症の原因だと言って良いと思います。

  • 3.改善法

    今、原因のところでも書きましたが、人と話すときに顔がひきつることやこわばることで、うまく笑えないというところだけに目を向け、これを無くそうとして行動することで、ますます顔がひきつる悩みを強くしてしまうものなのです。

    具体的には人を避けたり、薬を飲んだり、マスクを着用したりすることが挙げられます。

    これらが森田療法では気分本位の「はからい」の行動ということになるのですが、笑顔恐怖症を改善し克服していくためには、これらとは正反対の行動が必要になってくるのです。

    森田療法では、これを目的本位の行動と言っていますが、顔のひきつりとか、こわばりを感じながらも、必要であれば人を避けず、その時の「やるべきこと」をきちんとこなすようにしていくことが大切になってくるのです。

    ただ、このためには、森田理論の学習により正しい認識を頭に入れておくことが必要になってくるのです。

    つまり、この上で目的本位を念頭に置いて行動するようにしていくと、少しずつ笑顔恐怖症を改善し克服することが出来るのです。