(改善のための具体的な説明)

  • 更新日 2021.10.06
  • 1.はじめに

    頭痛は風邪気味や、寝不足、疲れなど、その時のちょっとした体調の加減で、肩こりと同様に、時によっては誰でも起こるものですが、慢性的に頭痛が気になり悩んでいる場合は普通神経症が原因になっていることも多いものです。

    一般的に慢性頭痛は一次性頭痛と言われ、内科的な検査をしても明らかな体の異常が見られないことが多いものです。

    また、この症状は緊張型頭痛とか、偏頭痛、群発頭痛等と分類されることも多いですが、一言で言えば、昔からよく言われる「頭痛持ち」ということになるのだと思います。

    普通神経症は体の違和感を敏感に感じ、これに、とらわれている状態ですが、この違和感を感じる部分が、肩や首の凝り、頭痛の場合が多いものなのです。

    さっきも書きましたが、慢性頭痛の原因はいくら検査しても良く分からないことが多いのですが、これは神経症の「とらわれ」が原因になっていることもあるのです。

    「とらわれ」が出来ると、常に注意の方向が頭の方に向いてしまうために、ちょっとした頭の違和感も感じやすくなるものなのです。

    つまり、脳や神経など体の異常ではなく、「とらわれ」が原因になっているために、内科的な検査をいくらしても、検査結果に異常は出てこないということになるのです。

    しかし、今は、体の異常が特に見られなくても痛みなどの症状があると鎮痛剤などの薬を処方されることが多いと思います。

    そして、このために本人も自分が病気であると勘違いしていることが多いのではないかと思います。

    しかし、神経症はよく「マイナスの感情態度の「クセ」から来る病的状態」と言われるように、体や心の病気とは異なるものなのです。

    つまり、「とらわれ」という一種のマイナスの「クセ」がついた状態に過ぎないのです。

    また、神経症が原因の慢性頭痛に悩む人は、元もと神経質性格を持っていますので、肩こりなど、他の体調の悪さも感じやすく、薬局で買った市販の痛み止めや、治療のために病院で処方された鎮痛剤などの薬を常用していることも多いものです。

    なお、慢性頭痛に限らず、他の痛みの場合でも普通神経症が原因になっていることが多いのですが、実際に内臓などに異常があって起こっている場合もありますので、病院で検査してもらっても異常がないという場合に、普通神経症から来ていると判断し、対処法を考えていった方が良いと思います。

    そして、普通神経症が原因になっている慢性頭痛であれば、森田療法の学習によって薬などを使わずに改善していけるものなのです。

  • 2.どういう状態ですか?

    毎日持続的に起こる慢性頭痛で、肩こりや目の疲れ、頭重感を伴うことが多いのが「緊張型頭痛タイプ」と言われています。

    また、朝起きた時や休日になると起こりやすいのが「偏頭痛タイプ」と言われているものになります。

    そして、数年に一度、数ヶ月に渡って毎日のように決まった時間に起こることが多く、片目の上や、こめかみのあたりの、えぐられるような激しい痛みが起こるのが「群発頭痛タイプ」と言われています。

    慢性頭痛には以上の3種類がありますが、神経症が原因になっているのは緊張型頭痛タイプと偏頭痛タイプが多いと思います。

    そして、神経症が原因の慢性頭痛の場合は治療のために鎮痛薬を常習していることが多いというのも特長だと言って良いと思います。

    また、頭痛を治すために、ヨガや整体、鍼、灸といった治療を行ったり、色々なサプリメントを飲んで対処しているというのも、神経症が原因の慢性頭痛の場合に良く見られる傾向だと思います。

  • 3.何が原因なのでしょうか?

    たまたま、風邪を引いたり、何らかの体調の悪さで頭痛を感じ辛い思いをした時に、「これは大変だ、どうしよう」と考えてしまい、鎮痛薬を飲んだり、栄養ドリンクを飲んだりといった色々な対応をすることで一時的には症状が治まるのですが、長い目で見ると、これらの対処法のために逆に少しずつ頭痛に対する「とらわれ」が出来てくるものなのです。

    そして、こうなると、注意の方向が常に頭痛の方に向くようになり、これによってますます頭痛を起こしやすくなるという悪循環が出来てしまうものなのです。

    そして、頭が痛いから何も出来ないと考え、治療のために鎮痛薬を毎日飲んだり、整体やマッサージといった対処法を取ってしまうのですが、これが頭痛だけに目を向け、これを取り除こうとする行動になってしまうものなのです。

    そして、これが森田療法で言っている気分本位の行動ということになります。

    しかし、神経症が原因の慢性頭痛の場合は、こういう気分本位の行動を取ると、一時的には楽になれるのですが、長い目で見ると逆にますます注意の方向が頭痛の方に向きやすくなってしまうものなのです。

    そして、このために、さっきも書きましたが、鎮痛薬を飲んで一時的に頭痛が治っても、また少し経つと、さらに頭痛が気になるという悪循環に陥ってしまうものなのです。

    ですから、頭痛に対する「とらわれ」が神経症から来る慢性頭痛の場合の原因だと言って良いと思います。

  • 4.薬などに頼らない改善法

    今、上にも書きましたが、神経症が原因の慢性頭痛の症状は脳や神経などの体の異常から来る病気ではなく「とらわれ」という誤った認識から起こっているものだと言えるのです。

    ですから、鎮痛薬やマッサージ、整体など、頭痛の症状だけに目を向け、これを取り除こうとする対処法では、一時的には治ったように感じても、少し時間が経つと再発してしまうということになり、根本な治療にはならないのです。

    しかし、森田療法の学習をしていく中で頭痛に対する受け止め方が変化し、精神的な原因である「とらわれ」が薄れてくると、この結果として症状が和らぎ、慢性頭痛が根本的に改善してくるものなのです。