劣等感(コンプレックス)


(特徴と原因、克服のための説明)

1.特徴

劣等感(コンプレックス)とは、自分が人よりも劣っているように感じることを言い、優越感の反対の意味で用いられることが多いですが、神経症に悩んでいる時に共通して見られる特徴の1つだと言って良いと思います。

劣等感という言葉自体は、もともとアルフレッド・アドラーという心理学者が作ったものだと言われています。

そして、元々は向上発展欲の下になる、むしろプラスの意味で使われていたようです。

しかし、今はアドラー心理学で言っている「劣等コンプレックス」のことを劣等感やコンプレックスという言葉で表現していると思います。

こういう意味で、このページでは「劣等感(コンプレックス)」という書き方をしております。

赤面症多汗症などの対人恐怖症の症状に悩んでいる時は、口下手であるとか人見知りであるとか、内気であるといった自分の性格に対する劣等感(コンプレックス)が強い状態になっていることが多いと思います。

かつて私自身も対人恐怖症に悩んでいた時は「劣等感の塊」のような状態になっていたことを思い出します。

学歴や職場での地位、仕事、容姿、顔、身長といったことに対して劣等感(コンプレックス)の強い人は一般的にもいると思いますが、神経症に悩んでいる時は、これが必要以上に強くなっているものなのです。

このために自分に自信が持てず、人が自分の症状に気付いて嫌な思いをしているとか、変に思っているに違いないと感じてしまうことも多いものなのです。

そして、このために、うつ状態に陥り、仕事とか恋愛がうまくいかないという状態になっている人も多いと思います。

また、普通神経症に悩んでいる時は容姿や顔、身長といった自分の体に対する劣等感(コンプレックス)を強く感じていることが多いものです。

このため、デートなどの時に彼氏や彼女と一緒に歩くのを躊躇してしまうことも多いと思います。

また、男性の場合であれば自分の顔の色が白いことを気にし頬紅を付けるとか、女性の場合であれば毛深いことが気になり脱毛エステをするなどといった行動を取っていることも多いものです。

また、若はげが劣等感(コンプレックス)になっていたり、自分の性器が小さいのではないかとか色が変ではないかと悩んでいる人も多いものです。

また、神経症に悩み劣等感(コンプレックス)を強くしている時は、ちょうど濃い色のサングラスをかけている状態と同じだと言っても良いと思います。

「黄色のサングラス」をかけている時は白い物も黄色に見えてしまうものですが、劣等感(コンプレックス)を強くしている時は、人が自分の症状や弱点に気付き、嫌な思いをしているとか、変な顔をしているように見えてしまうものなのです。

森田療法では、これを「劣等感的投射」と言っていますが、こういう状態ですと、ますます他人との間に大きな壁を作ってしまうことになるのです。

2.原因

今、上にも述べさせて頂いたように、神経症に悩んでいる時は劣等感(コンプレックス)を強くしているものなのですが、これは神経質性格の人間に共通する特徴の一つである「生の欲望」の強さが原因になっているのだと思います。

つまり、人一倍、「生の欲望」の強い神経質性格の人間は100%完全を求めやすいものなのです。

そして、このために、自分の欠けているところや出来ないことに目が向きやすいものなのです。

そして、この結果、劣等感(コンプレックス)を抱きやすくなるのだと思います。

また、神経症に悩み自分の症状のことで精一杯になっている時は他人のことまで気が回らないために、自己中心的傾向を強くしているものなのです。

そして、このために他人に共感することが出来にくくなっており、これが原因で劣等感(コンプレックス)や優越感を感じやすくなるのだと思います。

ですから、神経質性格の「生の欲望」の強さと、神経症に悩むことに伴う自己中心的傾向の強さが劣等感(コンプレックス)を引き起こす原因だと言って良いのではないかと思います。

3.克服方法

今、原因のところでも述べさせて頂きましたが、劣等感(コンプレックス)は神経症に悩み、自己中心的傾向を強くし、他人に対して共感することが出来なくなっているために起こってくるものなのです。

この傾向は特に対人恐怖症に悩んでいる時に強く見られるものだと思います。

つまり、人前で顔が赤くなってしまうとか、汗を異常にかいてしまう、手が震えてしまうといった症状のために人から変に思われると感じている時は、どうしても自分のことだけで精一杯になり、他人の気持ちを考える余裕がなくなってしまうものなのです。

これが自己中心的傾向を強くしている時の状態だと言えるのです。

しかし、森田療法の学習をしていく中で対人恐怖症など、神経症の症状が改善し、自己中心の殻が打ち破られてくれば、これに比例して劣等感(コンプレックス)を感じることが少なくなってくるものなのです。

ただ、このためには目的本位など、森田療法の考え方に沿って行動の仕方を変えるようにしていくことが必要になるのです。

ですから、これが劣等感(コンプレックス)を克服していく上で一番良い方法になると思います。

ただ、これは神経症に伴う劣等感(コンプレックス)の場合であり、神経症以外の場合には当てはまらないと思います。





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