(原因と克服法についての説明)

  • 更新日 2021.10.13
  • 1.特徴

    胃腸神経症は検査をしても異常がないのに慢性的な胃の不快感や違和感に悩むところに特徴があります。

    吐き気、嘔吐、胃がもたれる、腹部膨満感、げっぷ、お腹が空いていないのにグウグウ鳴る、ガスが溜まる、といった症状が胃腸神経症の場合によく見られます。

    胃腸神経症に悩んでいる人は頭痛肩こりなど他の普通神経症の症状に悩んでいる人と同じように、色々な病院で検査をしてもらうというパターンになっていることが多いものです。

    胃の調子の悪さから、自分が胃がんや胃潰瘍になったのではないかと心配になり、胃カメラを初めとした内視鏡検査などを繰り返すという人も中にはいます。

    しかし、こういう検査をしたり、薬を飲んだりすることで一時的には気が済むのですが、胃腸神経症の場合は、長い目で見ると、ますます症状を強くすることになってしまうのです。

    森田療法では今、上に書かせていただいたような不安に引きずられて病院に行って検査を繰り返すといった行動を取ることを気分本位の行動と言っています。

    そして、こういう気分本位の行動を繰り返すことで、ますます胃の調子の悪さに注意が向くようになり、胃腸神経症を強くしてしまうものなのです。

    また、最近では過敏性腸症候群という名前をよく聞きますが、この多くは胃腸神経症と共通していると考えて良いと思います。

  • 2.原因

    胃腸神経症の場合は、いくら胃カメラを初めとした内視鏡検査などの検査をしても、ハッキリした原因が分からないものなのです。

    しかし、病院の先生も検査の結果にいくらかでも異常が見られれば、胃酸を抑える薬を処方したりするものなのです。

    しかし、胃腸神経症に悩むような人は人一倍、自分の体調に敏感であり、注意が向きやすい傾向があるものなのです。

    このために、病院の先生に言われた、何気ない一言にとらわれ、かえって胃の調子の悪さを強くしてしまうことも多いものなのです。

    先ほども書かせて頂きましたが、胃腸神経症の場合は胃の調子の悪さに対する「とらわれ」が出来ている状態だと言えるのです。

    ですから、病院に行き胃カメラなどの検査をしたり胃薬を飲むことで、一時的には気が済んでも、長い目で見ると、ますます調子の悪さを強くしてしまうものなのです。

    つまり、こういう胃の調子の悪さに引きずられた気分本位の行動を取ることで、かえって胃腸神経症を強くしているものなのです。

    ですから、ここに胃腸神経症の根本的な原因があると言って良いと思います。

    ただ、一度は血液や便検査、X線検査、胃カメラなどの内視鏡検査、腹部超音波検査などによって、胃潰瘍や胃がんなどの疾患や身体的異常がないことを確認しておく必要があります。

  • 3.薬に頼らない克服方法

    胃腸神経症の場合は吐き気などの胃の具合の悪さが具体的な形で現れるために、胃薬を飲んだりすることが多いものです。

    しかし、先ほども書かせて頂きましたが、こういう胃の調子の悪さだけに目を向け、これを無くそうとして行動するのは、胃腸神経症の場合は気分本位の行動になってしまうものなのです。

    ですから、一時的には調子が良くなったように感じても、長い目で見ると、ますます調子の悪さを強くしてしまうものなのです。

    このため、胃腸神経症の場合は、胃の調子の悪さを感じながらも、これに引きずられずに、毎日の生活を普通に送るようにしていった方が良いと言えるのです。

    森田療法では、これを目的本位の行動と言っていますが、この方向で頑張るようにしていくと薬に頼らなくても胃腸神経症を克服していけるものなのです。

    また、胃腸神経症の場合は、他の普通神経症の場合と同じで、胃の調子の悪さを周りの人に訴えないようにしていくことも大切になってくるのです。

    普通神経症に悩んでいる時は、自分の体調の悪さを周りの人にくどく訴えてしまうことが多いのですが、これはかえって調子の悪さに対する「とらわれ」を強くしてしまうことになるのです。

    ですから、この点にも注意しながら、森田療法の考え方に沿って目的本位に行動していくというのが胃腸神経症の場合の一番適切な克服方法になると思います。