(症状の原因と対処のための具体的な説明)

  • 1.はじめに

    このページは、今、過呼吸症候群と言われている症状に悩んでいる人を対象として書いています。

    過呼吸症候群は単に過呼吸と呼ばれることも多いですが、突然呼吸が乱れて息が荒くなってしまう過換気発作と共に、息苦しさや胸の痛み、動悸、頭痛、めまい、手足のしびれなどの症状が現れるのが特徴になります。

    マラソンやサッカーといった激しい運動の後に、たまたま、息が荒くなり、息苦しさや動悸を感じ、このまま死んでしまったらどうしようと「死の恐怖」を感じるようなショックな出来事があると、これが「キッカケ」になり過呼吸症候群の状態に陥ることが多いものです。

    ただ、過呼吸症候群と言われている症状は、従来からある不安神経症やパニック障害の症状の1つだと言って良いと思います。

    そして、心配性や完全欲の強さといった神経質性格の特徴を持っている人の場合であれば、MTカウンセリングを通して森田療法の学習をしてく中で、「死の恐怖」や過呼吸に対する「とらわれ」が薄れてくると、この結果として症状が治ってくるものなのです。

    ですから、今、過呼吸症候群の症状に悩み、病院に通い治療をしているけれど、思うように良い方向に向かないという人は、このページの内容を参考にして、これからの対処のヒントにして頂ければと思っております。

  • 2.過呼吸症候群とは

    今、上にも書きましたが、この症状は過換気(過喚起)症候群とか、単に過呼吸とも呼ばれる、不安神経症やパニック障害の症状の1つになります。

    統計的には比較的若い女性に起こりやすい症状だと言われています。
    また、救急車で病院に運ばれる人の中にも過呼吸症候群の過換気発作が原因の場合が多いと言われています。

    過呼吸症候群の症状は、突然の呼吸の乱れから動悸や息切れ、息苦しさでパニックになってしまうという形で現れることが多いものです。
    この中でも特に息が荒くなったり息苦しい感じを強く感じるのが過換気(過呼吸)発作と言われている症状になります。

    よくマラソンなどの激しい運動の後に起こると言われることが多いですが、これは最初の過換気発作が起こる場合の話であり、過呼吸症候群の状態に陥った後は、特に激しい運動をしなくても、日常生活の中で突然、起こるようになるものなのです。

    また、過換気発作に対する予期不安から激しい運動などを避けてしまうようになることが多いものなのです。

    なお、過呼吸症候群は乗物恐怖症とか外出恐怖など、不安神経症やパニック障害の症状として、いろいろな形で現れてきますが、いずれも、死の恐怖を直接的に感じるというところに特徴があると言えます。

    過呼吸症候群に悩んでいる時は、例えば電車の中で息苦しい状態になった時に「これは大変だ、このまま死んでしまったらどうしよう」と「死の恐怖」を感じてしまうために、どうしてもパニックになってしまうものなのです。

    つまり、息苦しい状態になった時に、これを命に関わるような異常なことだと考え、邪魔者扱いし排除しようとしてしまうために、逆に、ここに注意が集中し、過呼吸の症状をより強くしてしまうと言って良いと思います。

    また、過呼吸の発作が起こると、呼吸が苦しくなり、これに伴い不安がつのり、両手の指や口の辺りがしびれた感覚に襲われたり、息苦しさや死の恐怖などを伴い、ひどい場合は、指が痙攣したようになる(テタニー症状)こともあると言われています。

    そして、発作が30分から90分続くことも多いですが、放置していれば必ず収まってくるものなのです。
    また、決して死んだりや後遺症を残すようなことにはならないものなのです。

    ただ、これは体の病気がない場合の話になります。
    つまり、何らかの体の病気があり、これから起こる過換気発作の場合は、話が全く異なってくるのです。

    ですから、過呼吸症候群というのは心臓とか脳などに異常がない場合の症状ということになるのです。

    また、過呼吸症候群に悩む人は、対人恐怖症に悩む人のように人見知りするとか、恥ずかしがり屋という面が少なく、むしろ外向的に見える人が多いというのも特徴になります。

  • 3.ある体験者の方の具体例

    過呼吸症候群に悩んでいる方の一例を挙げますと、下記のようになります。


    (過呼吸症候群に悩むTさんの例)

    ある会社のサラリーマンであるTさんは、営業社員として常にトップに近い成績を上げていました。
    毎日のように夜遅くまで残業をし、休日も仕事の付き合いに費やすほど仕事熱心なTさんでしたが、ある朝、遅刻しそうだったために急いで乗った通勤電車の中で、突然、激しく呼吸が乱れ息苦しさを感じ、不安になってしまいました。
    そして、呼吸困難でこのまま死んでしまうのではないかと感じ、途中の駅で電車を降りてしまいました。
    この日を境として電車で通勤している時に、たびたび呼吸の乱れや息苦しい状態を繰り返すようになり、そのうち、「またあの息苦しさが起きるのではないか」と電車に乗る前から意識するようになってしまいました。
    そして、混雑するラッシュ時間を避けて通勤したり、途中下車を繰り返すようになりました。
    思いあまったTさんは、心療内科を訪れ、自分の症状が過呼吸であることを知りました。
    そして、病院で出してもらった不安を抑える薬を飲むようになりました。
    しかし、確かに薬を飲むといくらか不安が和らぐことを感じましたが、このまま自分は一生、薬を飲み続けなければならないのかと、今度は薬を飲み続けることに対しても不安を感じるようになりました。
    しかし、薬を飲まないと、不安で電車にも乗れないということで、毎日、心に葛藤を感じながら過ごしているのです。


  • 4.過呼吸症候群の具体的な症状の現れ方

    過呼吸症候群に悩んでいる時は下記のような症状が起こることが多いものです。

    1)呼吸が急にしにくくなり息苦しさを感じる。
    2)呼吸が速くなり不安を感じる。
    3)胸が痛くなったり圧迫感を感じる。
    4)心臓がドキドキし動悸を感じる。
    5)ふらふらし、目眩を感じる。
    6)立ちくらみや、ふらつきが起こる。
    7)手や足、唇の痺れを感じる。
    8)頭がボーっとする。
    9)息がつまるような感覚になる。
    10)指が痙攣したようになる。(テタニー症状)
    11)このまま死んでしまうのではないかと不安になる。
    12)頭痛や眠気が起こる。
    13)また発作が起こるのではと不安で乗り物に乗れない。


    病院で検査をしても体に異常が見られないにも関わらず、これらの症状がある場合は過呼吸症候群だと考えて良いと思います。

  • 5.原因

    過呼吸症候群は体の病気がない場合の過換気発作が特徴ですから、一般的に考えると、ハッキリした原因が分からないものなのです。

    不安になりやすい性格や精神的なストレス、マラソンなどの激しい運動が原因のように思われていますが、これらは誘発要因の1つに過ぎず、根本的な原因にはならないと思います。

    また、過呼吸の発作が起こっている時に血液中の酸素濃度が高くなり、二酸化炭素濃度が下がることから、これが原因だとする考え方もありますが、これも根本的な原因とは言えないと思います。

    ですから、過呼吸症候群の場合も他の不安神経症やパニック障害の場合と同じように考えた方が妥当だと思います。

    つまり、マラソンなどの激しい運動の後に呼吸が激しくなり、息苦しさを感じ、このまま死んでしまうのではないかと「死の恐怖」を感じるような経験があると、これが「キッカケ」になり、また、あの時のような息苦しさやドキドキが起こったらどうしようと予期不安を感じるようになるものなのです。

    そして、この予期不安だけに目が向くと、運動したり、会社や学校へ行くための電車やバスに乗ることを避けてしまうようになるものなのです。

    しかし、このように予期不安を無くそうとして行動してしまうと、一時的には楽が出来るのですが、この積み重ねの中で、ますます予期不安を強くし、この結果として過呼吸症候群の症状が強固なものになってしまうのです。

    森田療法では、この予期不安を無くすための行動を気分本位の行動と言っていますが、ここに過呼吸症候群の症状を強くする原因があると言って良いと思います。

    つまり、息苦しさなどの過換気発作に対する不安を無くそうとして気分本位に行動することで、一時的には楽が出来ても、長い目で見ると、逆に息苦しさに対する「とらわれ」を強くしてしまうものなのです。

    ですから、過呼吸症候群の根本的な原因は、誤った認識に引きずられた気分本位の行動にあると言って良いと思います。

  • 6.病院で行なわれる対処法

    心療内科や精神科などの病院で過呼吸症候群と診断された場合の主な対処法をまとめてみると下記のようになると思います。
    しかし、これらは応急処置や応急手当であり、根本的な治療にはなっていないと思います。

    1)ペーパーバッグ法
    これは紙袋再呼吸法とも言われますが、少し前までは過呼吸症候群の最も一般的な対処法でした。
    しかし、現在では、逆に症状を悪化させることが分かり、行なわれることはなくなっていると思います。

    過換気発作が起こると、体の中の二酸化炭素の排出量が増えて血液中の二酸化炭素が不足するため、この状態を改善するために血液中の二酸化炭素の量を増やす必要があります。
    このために紙袋を口にあて、自分の吐いた息を再び吸い込むペーパーバック法が行なわれていました。
    これは自分の吐いた息の中には二酸化炭素が多く含まれているので、呼吸を止めるよりも楽に血液中に二酸化炭素を供給することが出来ると考えられていたためです。
    しかし、二酸化炭素を吸い続けると、ますます症状が悪化することが分かったために現在では行なわれなくなっています。

    2)精神安定剤の注射
    過呼吸の発作のため救急車で病院に運ばれてくるような人は、「死の恐怖」に対する不安が強すぎるために発作が治まらないことが多いものです。
    しかし、このような場合には、精神安定剤の注射により応急処置をすることが多いようです。

    3)カウンセリング
    不安やストレスを和らげるためにカウンセリングが行なわれることも多いようです。
    過呼吸症候群に悩んでいる時は息の荒さや息苦しさのために、このまま死んでしまうのではないかと「死の恐怖」を感じていることが多いものです。
    このため、カウンセリングによって、これを本人に自覚させることで「死の恐怖」に対する不安やストレスを和らげようとするものです。

    4)バイオフィードバック法
    これはストレスが元になって起こった症状の改善の場合によく用いられる治療法です。
    ストレスがかかった時などには、自覚できる症状以外にも、色々な体の変化が起こっているものなのです。
    バイオフィードバック法は、このような意識に表れない体の変化を、専用の機械を使って測定し、音などの信号に変えて本人に認識させることで、過呼吸症候群の症状の改善を目指すものになります。

    5)自律訓練法
    これもバイオフィードバック法と同様に、一種の自己催眠により心身をリラックスさせ、これによって過呼吸症候群の症状を改善しようとするものです。

    6)薬物療法
    今、心療内科や精神科の病院でもっとも多く行なわれているのが、この対処法ではないかと思います。
    過呼吸症候群に悩んでいる時は予期不安や「死の恐怖」が非常に強くなっていますが、これを抗不安薬やβ-ブロッカーといった薬により和らげようとするものです。
    他の方法に比べて、薬物療法の場合は、薬を処方すれば済んでしまうために、医師の負担も少なくて済むというメリットがあります。
    また、今は、不安を抑えるという点においては効果的な薬も多く開発されているために、ますます薬物療法の方向に進んでいるのではないかと思います。

    しかし、過呼吸症候群の場合は、うつ病やストレス障害とは異なり、気分本位の行動の繰り返しによって出来た、息苦しさなどの症状に対する「とらわれ」が原因ですから、これが解消しない限り、症状の根本的な治療にはならないと思います。

  • 7.森田療法による対処

    今、上にも書きましたが、過呼吸症候群の場合は、うつ病やストレス障害とは異なり、気分本位の行動の繰り返しによって出来た、息苦しさなどの症状に対する「とらわれ」原因なのです。

    ですから、目的本位など森田療法の考え方に沿って行動の仕方を変えるようにしていくことが必要になってくるのです。
    つまり、こうしていく中で息苦しさなどに対する「とらわれ」が薄れてくると、この結果として、過呼吸症候群の症状が改善してくるものなのです。

    ですから、薬による治療ではなく、森田療法の学習により過呼吸症候群の症状に対処していった方が根本的な解決に結びつくと言って良いと思います。

  • 8.まとめ

    今まで過呼吸症候群について色々書かせて頂きましたが、今、実際に悩んでいる方で、心配性や完璧主義といった神経質性格の特徴を持っている人であれば、MTカウンセリングを通して森田療法の学習をしていくことで、症状に対処していくことが可能だと思います。

    なお、このサイト内の無料診断のページからお問い合わせを頂ければ、MTカウンセリングに適用できるかどうかを判断させて頂きます。