(原因と症状克服のための具体的な説明)

  • 1.どういう症状ですか?

    赤面性は、赤面症や赤面恐怖とも言われますが、対人恐怖症の中でも特に多く見られる症状の一つになります。

    人前で顔が真っ赤になってしまう、という形で現れる症状ですが、人によっては、頬が赤くなることが悩みだったり、耳たぶが赤くなることが悩みだったりと、赤面する場所は人によって、それぞれだと言えます。

    ただ、いずれの場合も、人前で顔が真っ赤になってしまうことで、人から変に思われるのではないかとか、自分が相手に好意を持っていると勘違いされるのではないかとか、人から見下されるのではないかとか考えてしまうものなのです。

    また、赤面性は自分にとって大切だと思える相手に対して起こることが多いものです。

    若い人であれば、自分と同年代の異性の前で症状が起こり、会社員であれば、苦手な上司とか、自分にとって影響力がある相手に赤面性の症状が起こる場合が多いものなのです。

  • 2.何が原因なのでしょうか?

    赤面性の原因は、対人恐怖など他の神経症の原因と同じになります。

    つまり、神経質性格を持った人が、誤った認識に基づいて、誤った方向の行動を繰り返してしまうために起こってくるものなのです。

    顔が真っ赤になってしまうことで、人から変に思われるに違いないと考え、人と接することを避けてしまったり、顔が真っ赤になっても目立たないようにと髪を長く伸ばしたりといった、赤面性の症状だけに目を向け、これを無くそうとして行動してしまうことで、ますます、症状に対する、とらわれを強くしてしまうものなのです。

    森田療法では、これを気分本位の「はからい」の行動と言っていますが、こういう行動を繰り返すことで、赤面性の症状をますます強くしてしまうものなのです。

    ですから、赤面性は体質とか脳内の異常物質のために起こってくるものではないと言えるのです。

  • 3.どう対応したら良いのでしょうか?

    今、上にも書きましたが、赤面性は、症状を異常なものだと考え、これを排除しようとしてしまうことで、逆に、ますます強くなってしまうものなのです。

    ですから、まず、顔が真っ赤になってしまうという赤面性の症状を、時には誰にでも起こることなんだと受け止めるようにしていくことが大切になってくるのです。

    そして、この上で、目的本位など森田療法の考え方に沿って行動するようにしていくと、少しずつ症状のとらわれが薄れてきて、これに伴って赤面性の症状が起こらないようになってくるものなのです。