(克服のための具体的な説明)
-
緊張症は、人前で話す時に緊張し、顔が赤くなってしまう、汗が沢山出てしまう、手が震える、人の視線が気になってしまうといった形で現れてきます。
また、緊張症は人見知りの人に多く、あがり症などと同じことになります。
緊張症の、いずれの症状も、人前での手の震えやアガリなどのために、人から変に思われるのではないかという不安が根底にあると言えます。
人見知りをするとか、人前であがり、手の震えが起こるということは、誰にでも多かれ少なかれあるものですが、これが過度に強くなり、「とらわれ」や身体的症状として慢性的に起こるようになったのが、緊張症だと言っても良いのではないでしょうか。
特に、日本のような人目を気にする社会においては、人間関係が崩れることは、社会的な死を意味するため、この社会的な死の恐怖から、緊張症が起こってくると考えても良いのではないかと思います。
また、緊張症に悩んでいる人は、かつての私もそうでしたが、何とかして人前でのあがりや緊張を改善しようと考え、交際術に関する本を読んだり、カウンセリングを初めとした心理学関係の本を読んだりするものです。
また、民間療法を試みたり、宗教的な修行に救いを求めたりすることも多いように思います。
しかし、こういう行動を取れば取るほど、緊張症の場合は回復するどころか、逆に強くなってしまうものなのです。
しかし、森田療法の学習をしていく中で、人前での緊張に対する受け止め方が変化し、精神的な要因である「とらわれ」がなくなってくると、この結果として改善してくるものなのです。
なお、最近、社会不安障害などと言われているものも、実質的には、緊張症のことであり、特に目新しい病気ではありません。