(原因と克服法の解説)
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1.対人恐怖とは
過度に人見知りをするとか、無口なことに劣等感を感じてしまうとか、人前で緊張し思うように話が出来なくなってしまうとか、異性の前で顔が赤くなってしまうとか、人付き合いが上手く出来ないとか、人の視線が気になってしまうといったことで悩んでいる人も多いことと思います。
これらは人といると緊張する悩みである対人恐怖に含まれるものです。
人といると緊張する悩みは特に日本において多く見られるものだと言われています。
日本のような集団行動を重視する社会においては、アメリカなどの個人主義の国に比べ、人間関係が崩れることは社会的な死を意味するため、この「社会的な死の恐怖」から人といると緊張する悩みが起こりやすくなっているのではないかと思います。
また、最近、発達障害の一種であるアスペルガー症候群の症状が、人といると緊張する悩みと似ているために誤解している人が増えているように感じます。
しかし、自分がアスペルガー症候群ではないかと悩むような人は、人といると緊張する悩みである対人恐怖の場合がほとんどではないかと思います。
なお、人といると緊張する悩みの主なものは下記の通りです。
(人といると緊張する悩みの主な症状)
1.赤面症
2.電話恐怖症
3.スピーチ恐怖症
4.書痙(しょけい)
5.自己臭恐怖
6.笑顔恐怖症
7.多汗症
8.正視恐怖
9.視線恐怖症
10.吃音恐怖
11.雑談恐怖
12.おなら恐怖症
13.唾液恐怖 -
2.原因
人といると緊張する悩みである対人恐怖は自分が人から変に思われたらどうしようといった不安、つまり対人不安が根底にあるものなのです。
そして、こういう対人不安にとらわれるようになってしまうのは、人前で恥ずかしい思いをした経験などの「外的要因」と、神経質性格や感情に対する誤った認識という「内的要因」が重なったためなのです。
そして、不安や症状だけに目を向け、これを無くそうとして気分本位の誤った方向の行動を繰り返してしまうために、ますます人といると緊張する悩みを強くしてしまうのです。
ですから、「外的要因」+「内的要因」+「気分本位の行動の繰り返し」が人といると緊張する悩みである対人恐怖の原因ということになります。
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3.克服法
人といると緊張する悩みを持っている時は、人前で不安になったり症状を感じて当然の時でも、これを異常なものと考え排除しようとしているものなのです。
しかし、これが症状を強くしてしまう、気分本位の誤った方向の行動ということになるのです。
そして、こういう行動を取ることで、ますます、人といると緊張する悩みを強くしてしまうという「悪循環」に陥っているものなのです。
ですからまず、人間関係に伴う緊張や症状を今は仕方のないことなんだと受け止めていくのが克服の第一歩になると思います。
そして、この上で、目の前の「なすべきこと」を1つ1つ、きちんとこなすようにしていくことが大切なのです。
つまり、これが森田療法で言っている目的本位の行動ということになるのです。
そして、こういう目的本位の行動を積み重ねていくと、人といると緊張する悩みを必要以上に大きくしなくて済み、少しずつ良い方向に向いてくるものなのです。
そして、この積み重ねの結果として、人といると緊張する悩みである対人恐怖を克服していけるのです。
ですから、これが克服法になると思います。