(人前での震えなどの症状の克服方法の解説)

  • 1.はじめに

    対人緊張は人前で話す時に、あがってしまい、声が震えるとか、言葉が出てこなくなるといった形で起こることが多いものです。

    あがり症や対人恐怖症の症状の特徴の1つでもあるために、これと同じ意味で用いているサイトも多いように思います。

    また、最近は検索サイトでも対人恐怖症と同じ言葉として扱っているように思います。

    しかし、このサイトでは対人恐怖症の症状の1つとして考え、解説させて頂きます。

    なお、最近は社会不安障害とか、コミュ障といった言葉を見聞することが増えてきましたが、これらにも共通して見られるのが、この対人緊張ではないかと思います。

    ですから、今、社会不安障害とか、コミュ障といった症状で悩んでいる人にも参考にして頂けるのではないかと思います。

    なお、対人緊張は神経症の「とらわれ」が原因になっている場合がほとんどですから薬を飲まなくてもMTカウンセリングにより克服していけるものなのです。

  • 2.対人緊張とは

    これは人前で緊張し赤面や発汗などの対人恐怖症の症状が引き起こされる前段階の状態だと言って良いと思います。

    ですから、対人恐怖症の基本になる症状だとも言えるのではないかと思います。

    はじめにも書きましたが、インターネットのサイトや本などの中には対人恐怖症と同じ意味に使っているところもあるように思います。

    しかし、このページでは対人恐怖症のベースになる症状という位置づけで説明させて頂きます。

    人前であがってしてしまい思うように話が出来なくなってしまうとか、人前で発表するような時に足や手、声が震えてしまうという対人恐怖症の症状のベースになるのが、対人緊張だと言って良いと思います。

    つまり、これは対人恐怖症に悩んでいる時に、共通して見られる症状の一つになるのです。

    普通の人でも一対一で面と向かって座ったりした時は、ちょっと緊張してしまうものですが、この度合いが強くなっている状態が、対人緊張の症状だと言っても良いと思います。

    ただ、このサイトで対象としているのは人前で緊張してしまうことを、自分自身で悩んでいる神経質性格の特徴を持った人の場合になります。

    つまり、親御さんが、ご自分の子供を見て、人前で緊張しているように感じるといった場合は、一概に神経症から来ている症状とは言えなくなります。

    つまり、神経症のベースになる人前での緊張の場合は自分自身で悩むというところに特徴があるのです。

    そして、人前で緊張する結果、手が震えたり、顔が赤くなったりといった症状が起こるのが特徴だと言って良いと思います。

    ですから年齢としては大まかに言って中学生以上ということになります。

    つまり、小学生以下の年齢の場合は親御さんから見て人前で緊張しやすい傾向があると感じる場合でも森田療法の適用対象にはならないのです。

    また、器質的な鬱病やその他の精神疾患の場合にも対人緊張の症状が見られることがあると思います。

    しかし、この場合も神経症から来ているとは言えませんので、別の対応が必要になってくると思います。

    ただ、今、実際に人前での緊張に悩み、このページを見ている方であれば、対人恐怖症などの神経症から来ている可能性が高くなると思います。

    そして、この場合は、MTカウンセリングを通して森田療法の学習をしていく中で緊張に対する「とらわれ」が薄れてくれば、充分、楽になってくると思います。

  • 3.対人緊張から起こる症状の具体例

    下に具体的な症状を書かせて頂きましたが、思い当たるところはありますか。

    もし、いくつか思い当たるところがあれば、あなたの悩みも対人緊張が原因になっていると考えて良いと思います。

    1)人前で話す時に緊張し声が震えてしまう。
    2)自分がいることで座をしらけさせているように感じる。
    3)道を歩いている時など、人からジロジロ見られているように感じる。
    4)顔が赤くなることで周りの人から変に思われているように感じる。
    5)自分の取った行動を後悔することがよくある。
    6)陰口を言われているのではないかと不安になることがある。
    7)恥ずかしく感じ、自分の趣味を周りの人に打ち明けられない。
    8)引っ込み思案である。
    9)友達が少ないことに劣等感を感じている。
    10)容姿や性格に対して強いコンプレックスを持っている。
    11)面と向かって話している時に視線をどこに向けてよいか分からない。
    12)暑くないのに、脇や手のひらに異常に汗をかいてしまう。
    13)自分の体臭が気になる。
    14)電車の中で座っている時に目のやり場に困る。
    15)電車に乗っている時に周りの人の目が気になってしまう。
    16)目を見られるのが恥ずかしいのでサングラスをしている。
    17)人前で話そうとすると顔が赤くなってしまう。
    18)人前で字を書く時に手が震えてしまう。
    19)バツが悪く感じ、近所の人と顔を合わせるのを避けてしまう。
    20)買い物の時に遠くに知っている人がいると避けてしまう。
    21)話をしている時に自分の話し方が変ではないかと気になる。
    22)エレベーターで好みの異性と一緒になると汗をかいてしまう。
    23)緊張するような状況の時に掌に汗をかいてしまう。
    24)自分の口臭のせいで周りの人に嫌がられているように感じる。
    25)隣の家から見られているように感じカーテンを閉めている。
    26)自分が相手から変に思われているのではないかと気になってしまう。
    27)道で人とすれ違った時に変に思われたのではないかと気になる。
    28)満員電車の中などで視線のやり場に困ってしまう。
    29)人の気配を感じると身体がこわばってしまう。
    30)電車やバスで、向かいの席の人が気になってしまう。
    31)みんなから見られているように感じ、ぎこちなくなってしまう。
    32)人と目が合うと、自分が見下されているように感じてしまう。
    33)知らない所で、自分の噂をされているように感じる。
    34)自分の発言がトンチンカンで、場をしらけさせるように感じる。
    35)人の思惑が気になってしまう。
    36)話している時に顔がこわばってしまう。
    37)周りの人が気になり、話を集中して聞く事が出来ない。
    38)言葉が詰まったりして、電話などで上手く話せない。
    39)自分の話した事が気になり、眠れなくなってしまうことがある。
    40)人の視線が気になり、窮屈に感じることが多い。
    41)コップを持つ手が固くなったり、振るえたりすることがある。
    42)聞きたいことがあっても恥ずかしくて思うように聞けない。
    43)大勢の前で説明する時に頭が真っ白になってしまうことがある。
    44)人前で緊張し足が震えてしまう。
    45)大勢の人の中にいる時に息苦しくなる。
    46)人と食事をしている時に吐き気をもよおすことがある。
    47)素直に自分を出せないために誤解されてしまうことがある。
    48)緊張し、思ってもいないことを口にしてしまうことがある。
    49)苦手な上司や先生などと会う前に憂鬱になる。
    50)話すことが苦手である。
    51)あがらない方法を色々調べたことがある。

  • 4.対人緊張と共通する神経症の主な症状

    対人緊張がベースになったり、同時に起こることの多い症状には下記のようなものがあります。

    1)赤面症
    これは人前で緊張し顔が赤くなってしまうという症状です。
    対人緊張の中でも、もっとも多く見られる症状だと言って良いと思います。

    2)視線恐怖
    周りの人から見られているように感じ緊張し、ぎこちなくなってしまうというのが、この症状の特徴になります。
    これも対人緊張の代表的な症状になると思います。

    3)多汗症
    大勢の人前とか、苦手な人の前で話したりする時に顔とか脇などに汗を異常にかいてしまうというのが、この症状の特徴になります。
    これも赤面症と共に、対人緊張の場合に多く見られる症状です。
    なお、森田療法では発汗恐怖と言われることが多いと思います。

    4)正視恐怖
    人と面と向かって話している時に相手の目を見ることが出来ないというのが、この症状の場合の現れ方になります。
    面と向かっているような時は誰でも、相手の目を見ることを躊躇してしまうことが多いのですが、正視恐怖に悩んでいる時は、これを重大な異常なことだと考えてしまうものなのです。
    つまり、目を合わせないことで相手から変に思われていると感じてしまうものなのです。

    5)吃音症
    どもることや言葉が詰まることに対して予期不安を感じているのが、この症状になります。
    ですから、器質的な吃音とは異なります。
    また、前のように、どもったり言葉が詰まったりすることで周りの人から変に思われるのではないかと悩んでしまうのが、この症状になります。

    6)書痙
    これは「しょけい」と読みますが、結婚式や葬式などの記帳をする時に手が震えてしまうというのが、もっとも良く見られる症状になります。
    この症状も周りの人の目が気になり緊張してしまうことで起こってくるものだと言って良いと思います。

    7)笑顔恐怖症
    何人かで話していて笑いが起こるような状況の時に、無理に笑おうとすると顔が引きつってしまうというのが、この症状になります。
    これも人前での緊張が背景にあると考えられます。

  • 5.対人緊張に影響すると思われる神経症の症状

    下記のような神経症の症状があると対人緊張を起こしやすくなると思います。

    1)劣等感
    口下手だったり、無口であることに対して劣等感を感じている時は人前で緊張しやすくなる傾向があると思います。

    2)雑談恐怖
    一対一の時は何とか喋ることが出来るけれど3人以上になると、途端に喋れなくなってしまうというのが、この症状の特徴になります。
    そして、この場合は自分の話し方などに劣等感を持っていることが多く、これが対人緊張の症状にも影響を与えると思います。

    3)体臭恐怖
    脇汗の臭いとか、口臭など、自分の臭いのために周りの人が嫌な思いをしているのではないかと感じ、悩んでしまうのが、この症状になります。
    そして、この症状に悩んでいる時も劣等感が強くなっているために対人緊張の症状を感じやすくすると思います。

    4)対人不安
    苦手な人とか偉い人と会うような時に、また変に思われたらどうしようと不安になってしまうのが、この症状になります。
    そして、こういう不安を感じる時は、実際に会った場合にも対人緊張を感じやすくなるものなのです。

    5)心配症
    また何か変なことを言ったり、変な態度を取って、みんなから嫌われてしまうのではないかと感じ、悩んでしまうのが、この症状になります。
    つまり、これから先のことを、色々考え、心配や不安を感じてしまうのが、この症状の特徴だと言って良いと思います。
    これは神経質性格の特徴を持った人に共通する傾向だと言って良いと思います。
    そして、この心配症が人間関係に向くと対人緊張の症状を起こしやすくすると思います。

    6)不完全恐怖
    鍵を閉め忘れたのではないかと心配になり、何度も確認しに戻ってしまうというのが、この症状の典型的なパターンになります。
    つまり自分の取った行動が100%完全でないと気がすまないというのが、この症状に悩んでいる時の特徴なのです。
    しかし、こういう完全欲の「とらわれ」があると、人間関係においても100%完全を求めやすくなり、この結果、対人緊張の症状も感じやすくなるものなのです。

    7)不眠症
    今夜もまた眠れなかったらどうしようと、睡眠に対する不安が慢性化しているのが、この症状の特徴だと言って良いと思います。
    そして、不眠症に悩んでいる時は注意の方向が自分自身の方に向いているために、頭痛や肩こりなどの体調不良や、対人緊張を初めとした他の神経症の症状を起こしやすくなるものなのです。

    8)抑うつ神経症
    慢性的な憂鬱感や、やる気のなさに悩んでいるのが、この症状になります。 しかし、器質的なうつ病とは異なり、自分の好きなことに対しては夢中になってしまうものなのです。
    そして、この症状に悩んでいる時は自分の気分や体調に注意が向く「クセ」がついているために対人緊張など他の神経症の症状を感じやすいものなのです。

  • 6.原因

    対人緊張の場合も社会不安障害などの場合と同様に脳内の神経伝達物質の分泌量の異常が原因であるとする説と、神経症が原因であるという説が代表的なものになります。

    6-1)脳内の神経伝達物質の分泌量の異常

    社会不安障害など他のページでも書かせて頂きましたが、セロトニンやド-パミン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質の量の異常により人前での緊張や不安が起こるという考えです。

    今は科学的な分析技術が進歩しているので脳内の状態も詳しく解析できるようになってきました。

    つまり、分析機器は非常に大きな進歩をしていると言って良いと思います。

    このため、昔であれば、その存在すら分からなかったセロトニンやド-パミン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質も、今では詳しく分析できるようになっていると思います。

    しかし、人間の体の構造は小宇宙と言っても良いくらいに、まだ未知の部分が多いというのが事実だと思います。

    ですから、今の分析技術の結果だけから対人緊張などの精神的なメカニズムを断定するのは、まだ危険なのではないかと思います。

    しかし、今の医学界では、今得られている分析結果のみから結論を出しているように感じますので、この点は注意が必要ではないかと思います。

    6-2)神経症

    神経質性格の特徴を持っている人の中で人から良く思われたいという欲求の強い人は、人から変に思われたらどうしようという不安も強くなるものなのです。

    そして、この対人不安だけに目を向け、これを無くそうとしてしまうことで、ますます不安を強くし、この結果、対人緊張の症状が起こってくるというのが神経症を原因とした場合の考え方になります。

    つまり、器質的なうつ病などとは異なり、脳などには異常がないとする考え方になります。

    一人の時とか、家族など親しい間柄の人の前では対人緊張の症状が起こることがないのも脳などに異常がないということの証拠になるのではないかと思います。

    つまり、たまたま、授業を受けている時に人前で緊張し顔が赤くなってしまった、というような恥ずかしい経験が「キッカケ」になって症状にとらわれるようになることが多いものなのです。

    ですから、一種のマイナスの「クセ」がついた状態だと言っても良いのではないかと思います。

    6-3)その他

    上記の2つの原因以外に、トラウマや器質的なうつ病等の精神疾患から対人緊張の症状が起こることもあると思います。

    女性恐怖症のところでも書かせて頂きましたが、子供の頃に母親から虐待を受けたり、幼稚園や小学校で女の子にいじめられたりして心に傷がつき、これがトラウマとなって慢性的に対人緊張を感じることになる場合もあります。

    また、器質的なうつ病や統合失調症、発達障害などから対人緊張を感じやすくなる場合もあると思います。

  • 7.原因が神経症ではない場合の治療法

    トラウマが原因の場合は一般的な心理カウンセリングや認知療法、イメージ療法などで対応していくことが必要になると思います。

    また、器質的なうつ病や統合失調症、発達障害などで脳内の神経伝達物質の分泌量の異常が原因であることが明らかな場合は抗うつ薬などの薬物療法が中心になると思います。

    しかし、今は本当は神経症が原因であるにも関わらず脳内の神経伝達物質の分泌量の異常が原因だとする学説に基づいて薬物療法が行なわれている精神科や心療内科などの病院も多いと思います。

  • 8.神経症が原因の場合の克服方法

    神経症が原因の場合は人から変に思われたらどうしようという不安に対する「とらわれ」が出来た状態だと言って良いと思います。

    つまり、対人緊張に悩んでいる時は、人前での緊張や不安を感じて当然の時でも、これを異常なものとか、恥ずかしいことと考え、排除しようとしていることが多いものなのです。

    そして、このために、ますます症状を強くしてしまうという「悪循環」に陥っているものなのです。

    ですから、まず、今は神経症に悩んでいる最中だから人前での緊張や不安を感じて当然なんだと受け止めるようにしていくのが、第一歩になると思います。

    そして、この上で、目的本位や「あるがまま」など、森田療法の考えに従って行動するようにしていくと、人前での緊張や不安を必要以上に大きくしなくて済み、また、少しずつ症状が和らいでくるものなのです。

    つまり、抗うつ薬などの薬を飲まなくても森田療法の考え方に沿って行動の仕方を変えるようにしていく中で、充分、症状を克服していけるものなのです。

  • 9.まとめ

    対人緊張の原因や克服方法について色々説明させて頂きましたが、ピンと来るところはあったでしょうか?

    もし、いくらかでもピンと来るところがあったということであれば、あなたの場合も対人緊張の症状の可能性が高くなると思います。

    そして、この場合は無料診断のページから、今の悩みや症状のことなどを書いて送って頂ければ、MTカウンセリングにより克服できるかどうかを判断させて頂きます。

  • なお、もし、この、対人緊張のページの内容が参考になりましたら、下のボタンから共有をお願い致します。

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