(原因と対応の具体的な説明)

  • 1.どういう症状ですか?

    嚥下障害(えんかしょうがい)は病気や老化などの原因により飲食物の咀嚼や飲み込みが困難になる障害をいいますが、この中で心理的な原因で起こる嚥下障害を心因性嚥下障害と言っています。

    この心因性の嚥下障害の場合は、食べ物などが飲み込みにくいと感じる症状と共に、喉の違和感や詰まり感を感じることも多いものです。

    そして、心因性嚥下障害の場合は神経症が原因になっていることが多いものなのです。

  • 2.何が原因なのでしょうか?

    心因性嚥下障害の場合も、他の神経症の症状と同様に身体の異常から来るものではなく心の置き所、つまり「とらわれ」が原因になっているものだと言えます。

    つまり、のどの異物感や違和感、飲み込みにくい感じを異常なこととか「良くないこと」と受け止め、排除しようとしてしまうことで、逆に、ここに「とらわれ」が起こり、嚥下障害の症状として現れるようになってしまうものなのです。

    ですから、心因性嚥下障害は身体の異常があったらどうしようとか、何かの病気ではないかという不安から来る、のどの異物感や違和感、飲み込みにくい感じに対する「とらわれ」が根本的な原因になっている症状だと言って良いと思います。

  • 3.どのように対応したら良いのでしょうか?

    今、上にも書かせていただきましたが、心因性嚥下障害は身体の異常が原因ではなく、精神的な要因である「とらわれ」、つまり、心の置き所から起こってくるものだと言えるのです。

    ですから、のどの異物感や違和感、飲み込みにくい感じを和らげるための薬を飲んだりしても、一時的には良くなったように思えても、また少し経つと、症状がぶり返し、なかなか良くならないことが多いものなのです。

    しかし、森田療法の学習をしていく中で、のどの異物感や違和感、飲み込みにくい感じに対する受け止め方が変化し、精神的な原因である「とらわれ」が薄れてくると、この結果として、嚥下障害の症状が改善してくるものなのです。