自律神経失調症


(症状のチェック、原因、薬なしの治療方法の解説)

1.はじめに

頭痛や肩こり、不眠、微熱、めまい、胃腸障害など、慢性の治りにくい症状が続いていて、病院に行って検査をしてもらっても、どこにも異常が見つからないということで、漢方薬を飲んだり、整体や針灸に通院し治療をしてもらっている人も多いのではないかと思います。

しかし、こういう人たちの中には自律神経失調症の人もかなり含まれているように思います。

特に心配性や完璧主義、負けず嫌いといった神経質性格の特徴を持っている人の場合は、自律神経失調症の可能性が高くなると思います。

自律神経失調症は昔は「血の道症」と呼ばれることも多かったようですが、今では月経前緊張症とか更年期障害と呼ばれることも多いのではないかと思います。

また、最近では身体表現性障害とか心気症、身体化障害、疼痛障害といった病名が使われることも増えてきているのではないかと思います。

しかし、病名はどうであれ、今、実際に慢性の治りにくい症状に悩んでいる人たちが大勢いるというのは事実だと思います。

このページでは、こういう今現在、実際に原因が分からない慢性的な微熱や頭痛、不眠、めまい、胃腸障害などの自律神経失調症の症状悩んでいる人に、いくらかでも希望を持ってもらえればと思い、作成しました。

このため、途中で少し専門的な言葉が出てくるかもしれませんが、最後まで読んでみていただければと思っております。

こうすれば、きっと、何らかのヒントが見つかるのではないかと思います。


2.自律神経失調症とは?

寝汗や冷や汗などの異常な汗、慢性的な頭痛や肩こり、下痢、めまい、不眠症、疲労感などの体調不良といった症状が現れてくるのが自律神経失調症になります。



(学問的な解説)

学問的には自律神経失調症は交感神経と副交感神経の2つから成り立つ自律神経のバランスが崩れることで起こる症状だと言われています。

交感神経は危険な状況に置かれたりすると副腎髄質よりアドレナリンなど神経伝達物質が分泌され活発になり脈拍や呼吸数の増加、体温の上昇などの反応が起きてきます。

これに対してリラックスした状態の時には副交感神経が活発になり脈拍や呼吸数の低下、身体の弛緩などの反応が起きてきます。

健康な時は、この相反する2つの神経活動のバランスが保たれているために、身体は問題なく休息と活動のそれぞれに適した状態に移行できると言われています。

しかし、不安や怒りなど、なんらかの理由により、この神経活動の調和が崩れてしまうことがあるのです。

そして、こうなると、休息し眠りたいのに交感神経が活発になり、異常な興奮や発汗で眠れない入眠障害とか、また全く正反対に、副交感神経が活発化し、活動が必要な状況で極端な無気力や無反応になるなどの症状が現れてくるものなのです。

つまり、こういう状態になったものが自律神経失調症であると医学的には言われています。



(一般的な解説)

現実には微熱や異常な汗、慢性的な頭痛や肩こり、下痢、めまい、不眠症、疲労感、体の違和感などの症状が出てくるものです。

そして、このために病院の内科などで血液検査やレントゲン、MRIやCTといった色々な検査をしても原因が分からない場合に自律神経失調症という診断をされることが多いように思います。

ただ、最近は、うつ病の診断基準が広くなったために、自律神経失調症の代わりに、うつ病という病名を付けられることが増えているように感じます。

そして、内科の医師から心療内科や精神科などでカウンセリングや投薬治療を受けることを勧められるというパターンが多くなっているように思います。

なお、自律神経失調症は、自立神経失調症や自律神経症とも呼ばれますが、神経症の「とらわれ」が原因になっている場合が多いものなのです。

異常な汗や痛み、肩こり、下痢、めまい、不眠、疲労感や体調不良などの症状の治療のために病院に通っている人の何割かは自律神経失調症の方だとも言われています。

また、自律神経失調症で悩んでいる時は、病院で、いろいろ精密検査をしても異常がないと言われ、しかし、症状は明らかにあるために、いわゆるドクターショッピングと言われるものですが、別の病院で診てもらうということを繰り返すことが多いものです。

しかし、別の病院で診てもらうたびに違う診断をされたり、また、先生から言われた言葉が逆に気になってしまい、よけいに、疲労感や体調不良などの症状を強くしてしまうことも多いものなのです。

つまり、これも自律神経失調症の場合の特徴だと言って良いと思います。

また、自律神経失調症の場合、異常な汗や痛み、肩こり、下痢、めまい、不眠、疲労感や体調不良といった具体的な体調の悪さがあるために、漢方薬などの薬を飲んで治療しようとしたり、針灸や整体などの治療や、中には宗教に頼ってしまう人も多いものです。

しかし、こういう方向の治療を行っても、なかなか良い方向に向かないのが神経症が原因になっている自律神経失調症の場合の特長なのです。

これは神経症が原因になっている自律神経失調症の場合は、体の異常ではなく、心の置き所、つまり、体調の悪さに対する「とらわれ」が原因になっているからなのです。

つまり、この体調の悪さに対する「とらわれ」が改善しない限り、いくら薬を飲んだり、鍼灸や整体の治療を行っても良い方向には向いてこないものなのです。

なお、慢性疲労症候群、胃腸神経症、過敏性腸症候群、慢性的な下痢や便秘と言われるものも、自律神経失調症の症状に含まれると言って良いと思います。

また、うつ病、登校拒否、更年期障害、月経前緊張症、外傷後ストレス障害(PTSD)、メニエール病、不整脈、舌痛症、顎関節症などの中にも自律神経失調症が原因になっている場合が多いと思われます。



自律神経失調症とはどういうものかについて説明させて頂きましたが、これを読まれている方に知って頂きたいことがありますので書かせて頂きます。

それは、同じ自律神経失調症でも神経質性格の特徴を持っていない人の場合は漢方薬や鍼灸などの治療で治る可能性がありますが、心配性や完璧主義、負けず嫌いといった神経質性格の特徴を持っている人の場合は神経症の「とらわれ」が原因になっていると言えますので、漢方薬や鍼灸などの治療をするよりも森田療法の学習で対応していった方が治る可能性が高いということなのです。



3.症状のチェック

自律神経失調症の主な具体的な症状をまとめると下記のようになります。

このため、ご自分の症状が、これらに当てはまるかどうかをチェックし、診断してみると良いのではないかと思います。



(自律神経失調症の具体的な症状)

1.過敏性腸症候群
イベントの前日などに落ち着かず、胃の調子が悪くなったり、腹部の不快感や腹痛、食欲不振のため食事が思うように取れない、便秘や下痢が起こる。

2.不眠症
夜、寝ようと思っても、なかなか眠れない、今夜もまた眠れないのではないかと不安になる。

3.微熱
平熱よりも1度位高い体温が1ヶ月以上続いている。

4.慢性肩こり
何年にも渡って肩が凝っていて、湿布や整体、針灸などをしても、なかなか治らない。

5.慢性頭痛
病院でCTなどの検査をしても異常がないけれど、頭痛や頭の重さのためスッキリせず、鎮痛薬を常用している。

6.慢性疲労性症候群
疲労感や倦怠感、やる気のなさを毎日のように感じ、栄養ドリンクやビタミン剤を飲んで過している。

7.頻尿恐怖
休憩時間にトイレに行ったのに、授業中にまたトイレに行きたくなるなど、常に尿意を感じてしまう。

8.慢性下痢
何かの行事の前とか、学校へ行く前など、決まった状況の下で下痢になってしまう。

9.めまい
外を歩いている時や何気ない動作をした時に、ふわふわ感やめまいを感じ気になってしまう。

10.嘔吐恐怖症
食べると吐き気がしたり、常に吐き気が気になるために食欲がなくなり、思うように食事が出来ない。

11.胃腸神経症
病院で診てもらっても検査では異常がないけれど、胃の不快感や違和感が常に気になってしまう。

12.腹鳴恐怖症
お腹が空いていないのに、お腹がグウグウ鳴ったりする。

13.呑気症
胃の不快感、げっぷ、痛み、上腹部膨満感、おなら等の症状が起こる。

14.睡眠障害(過眠症)
いくら寝ても眠気が取れず、物事に集中することが出来ない。

15.立ちくらみ
道を歩いている時や起き上がる時に突然、フラフラしたり、頭がクラクラする。

16.ふらつき
頻繁にふらつきを感じるため、何かの病気ではないかと感じ、病院巡りをするが、検査では異常が見つからない。

17.嚥下障害
食事を食べる時などに、のどに違和感を感じ、飲み込みにくさを感じる。

18.動悸
少し動いただけでも動悸や胸部圧迫感を感じ、何かの病気ではないかと不安になってしまう。

19.冷え性
手足が冷えたり、のぼせやすく、リラックスしたり、熟睡することが出来ないことが多い。

20.耳の不調
耳鳴りや耳の閉塞感を感じることが多く、スッキリしない。

21.目の不調
目の疲れや涙目、目が開かない、目の乾きなど、目の違和感を感じることが多い。

22.皮膚の不調
汗が出過ぎたり出なかったりする、冷や汗、皮膚の乾燥、皮膚のかゆみなど皮膚に関する違和感がある。

23.生殖器の不調
何らかの緊張やストレスから勃起不全(ED)や生理不順が起こり、妊娠に支障が出てくる。

24.薬物依存(睡眠薬や鎮痛薬)
体調の悪さのため睡眠薬や鎮痛薬、安定剤などの薬に頼ってしまう。



4.自律神経失調症の原因

交感神経と副交感神経の2つから成り立つ自律神経のバランスが乱れることで症状が起こってくると言われていますが、これにはストレスや生活習慣、体質、性格、年齢などが影響していると思います。

夜更かしなどの不規則な生活を続けていると、これがストレスになって自律神経のバランスが乱れるということが多いと思います。

また、人間関係や仕事の困難さからストレスを感じ、自律神経失調症に陥ってしまうことも多いのではないかと思います。

また、私の経験からは、何らかの病気や怪我が「キッカケ」になり、体調の悪さに対する「とらわれ」が出来、これが原因となって自律神経失調症になる人も多いように思います。

特に心配性や完璧主義、負けず嫌いといった神経質性格の特徴を持っている人の場合は、このパターンが一番、多いのではないかと思います。

交通事故でムチウチ症になったことが「キッカケ」になり、首の痛みに対する「とらわれ」が出来、何年も首の痛みを引きずってしまうという人も多いものなのです。

また、網膜はく離で目の手術をした後に目の不調にとらわれるようになり、10年以上も悩んでいるという人もいます。

このように神経質性格を持ち、体の違和感に敏感な人の場合、病気や怪我で実際に痛みや違和感などを経験すると、これが原因になり「とらわれ」が出来やすいのだと思います。


5.薬などによる治療

自律神経失調症の場合は内科の検査では異常が見つからないために心療内科や神経科に通院する形になることが多いと思います。

そして、ここでは治療に抗不安薬やホルモン剤、漢方薬などを用いた薬物療法が行なわれる場合が、ほとんどではないかと思います。

しかし、こういう薬による治療でも、思わしい結果が得られない場合は、鍼灸院や整体院に通い治療をしてもらう人も多いように思います。

また、ヨガや自律訓練法、音楽療法、アロマテラピーといった療法を行なっている人も多いのではないかと思います。

神経症の「とらわれ」が原因ではなく、生活習慣や骨格の歪みなどが原因の自律神経失調症の場合は、これらの治療で改善することも多いと思います。


6.薬などによる治療でも、なかなか良くならない原因

抗不安薬や抗うつ薬、ホルモン剤、漢方薬などの薬や、鍼灸、マッサージ、自律訓練法といった治療をしても、思うように症状が改善しない人も中には、いるものです。

むしろ、自律神経失調症の場合は、こういう人の方が多いのではないかと思います。

しかし、この場合は神経症が原因になっていると考えて良いと思います。

特に、心配性や完璧主義、負けず嫌いといった神経質性格の特徴を持っている人の場合は、神経症が原因になっている可能性が高くなると思います。

そして、神経症が原因になっている自律神経失調症の場合は、症状だけに目を向け、これを治そうとしてしまうと、これは森田療法で言っている気分本位の「はからい」の行動になってしまうのです。

ですから、一時的には良くなったように感じても、長い目で見ると、逆にますます症状を強くすることになってしまうものなのです。

ですから、病院の薬や漢方薬を飲んでも、思うように良い方向に向かないとか、鍼灸やマッサージ、自律訓練法などをしても、あまり効果が見られないという場合は神経症が原因の自律神経失調症だと考えて良いと思います。


7.薬なしの治療方法

自律神経失調症の場合、具体的な体の異常や違和感が症状として現れるために、痛み止めや漢方薬といった薬の服用など、病院の治療に任せていることが多いと思います。

しかし、今、上にも書きましたが、神経症が原因の自律神経失調症の場合は、むしろ薬を飲んだり治療のために整体などへ行ったりしない方が良いと言えるのです。

つまり、これらの行動は森田療法で言っている気分本位の「はからい」の行動になってしまうのです。

ですから、一時的には治ったように感じても、長い目で見ると、痛みや違和感などの自律神経失調症の症状を、かえって強くしてしまうことになるのです。

実際に、痛みや違和感などの体の症状が起こると、どうしても薬に頼りたくなってしまうものなのですが、神経症が原因の自律神経失調症の場合は、これを断ちきるようにしていくことが第一歩になるのです。

ただ、闇雲に薬を断ちきろうとしても、これではなかなか上手くいかないものなのです。

しかし、目的本位など森田療法の考え方に沿って頑張るようにしていくと、少しずつ断ちきることが出来るようになってくるものなのです。

また、神経症が原因の自律神経失調症の場合は、痛みや体調の悪さなどの症状を人に訴えないようにしていくことも大切だと言われています。

森田療法では人に体調の悪さなどを頻繁に訴えることを、「愚痴を言う」と言っていますが、これによって、かえって、痛みや体調の悪さの方に注意の方向が向きやすくなってしまうものなのです。

そして、この結果、痛みや体調の悪さなどに対する「とらわれ」を、ますます強くしてしまうものなのです。

つまり、「愚痴を言う」、つまり、痛みや体調の悪さなどを人に訴えると一時的にはスッキリすることが出来るのですが、長い目で見ると、ますます痛みや体調の悪さの対する「とらわれ」を強くすることになってしまうのです。

そして、この結果、自律神経失調症の症状がますます強くなってしまうので注意が必要だと言えるのです。

ですから、神経症が原因の自律神経失調症の場合は体調の悪さを人に訴えない、つまり、愚痴を言わないようにしていくことが大切になってくるのです。

そして、これと併行して、目的本位や「あるがまま」など、森田療法の考えに従って行動していくと、「行きつ戻りつ」しながらも少しずつ痛みや体調の悪さに対する「とらわれ」が薄れてきて、この結果として、自律神経失調症の症状が治ってくるものなのです。

ですから、これが神経症が原因になっている自律神経失調症の場合の薬なしの治療方法としては、最も効果が期待できるものだと言って良いと思います。




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