(症状と薬を用いない対応)

  • 更新日 2025.07.02
  • 1.はじめに

    気分が落ち込んだり、やる気が起きないということで悩んでいる人も多いことと思います。

    このページでは、このような、うつ状態と呼ばれている悩みについて解説しております。

    今は、うつ状態というと、うつ病という診断をされやすく、心療内科や精神科の病院に通い、抗うつ薬や抗不安薬といった薬を飲んでいる人も多いのではないかと思います。

    しかし、こういう薬を飲んでも、なかなか良い方向に向かないという人の場合は、神経症が原因になっている、うつ状態の可能性が高くなると思います。

    このページではこのような神経症が原因になっている、うつ状態について解説しております。

    ですから、今、うつ状態とか、うつ病ということ薬を飲んでいるけれど、思うように良くならないという人は、このページの内容を参考にして、これからの対応を再検討してみると良いのではないかと思います。

  • 2.うつ状態とは

    下記のチェック項目に載せてあるような症状が起こるのが、うつ状態ということになります。

    うつ状態の症状が起こる疾患というのは他にもありますが、このページでは神経症(不安障害)が原因のうつ状態について解説しています。

    神経症の中でも自律神経失調症などの普通神経症の場合は不眠や頭痛、体調の悪さや、やる気のなさといった症状が起こりやすいものです。
    そして、特に、やる気のなさなどの症状が強い場合は抑うつ神経症と言われていますが、この場合の特徴が、うつ状態ということになります。
    この抑うつ神経症の場合のうつ状態は適応障害や発達障害、統合失調症などが原因のうつ状態とは区別が付くのですが、うつ病から起こるうつ状態との区別は付きにくいものです。
    また、今は抑うつ神経症の場合でも精神科や心療内科の病院に行くと、うつ病という診断をされてしまうために、余計に誤解してしまうことが増えていると思います。
    また、純粋なうつ病の場合と神経症の場合とでは、その対応方向が正反対になるものなのです。
    しかし、今は、こういう考慮がされず、ただ、抗うつ薬などの薬が処方されてしまうために、本来、薬を飲まない方が早く治る神経症が原因の「うつ状態」の人が何年にも渡って薬を飲み続けているという例が増えているように思います。

    つまり、うつ状態と言われているものの大部分は、器質的なうつ病のような心の病気(精神病)とは全く異なるものですので、安心して下さい。

    このため、うつ状態とか、抑うつ神経症と言われても、あまり、心配しないようにしていった方が良いと思います。

    また、さっきも書かせて頂きましたが、器質的な、うつ病の場合は、他者本位(他人本位)の考え方をしているものなのですが、神経症から起こる「うつ状態」の人の場合は、自分本位に考える傾向が強いと言えます。

    また、性格的にも心配性や執着性の強さ、自己内省性の強さ、欲求の強さ、完璧主義、といった神経質性格の特徴を持っているものです。

    このため、器質的なうつ病の人の場合は自殺の可能性が非常に高くなりますが、神経症が原因のうつ状態の人の場合は逆に自殺の可能性が非常に低いと言えるのです。

  • 3.具体的な症状

    うつ状態の具体的な症状をまとめると下記のようになります。

    (うつ状態の具体例)
    01.気分が沈んだり、落ち込みが長く続く。
    02.テレビを見たり、音楽を聴いても楽しさを感じられない。
    03.仕事が思うようにはかどらず、何をするのも面倒に感じる。
    04.人と会話していても話に集中できない。
    05.自分がつまらない人生を送っているように感じる。
    06.このまま消えてなくなりたいと感じることがある。
    07.食欲がなく、美味しく感じられないことが多い。
    08.疲れや、だるさを感じることが多い。
    09.肩や首の凝りが取れない。
    10.頭痛や頭の重さを感じる。
    11.人に会いたくない。
    12.優柔不断で判断できない傾向が強くなった。

  • 4.原因

    うつ状態の原因は他の神経症の場合と同様で、神経質性格の特徴を持っているという「内的要因」と、何らかの辛い経験をしたという「外的要因」が重なることが原因ということになります。

  • 5.薬なしの克服法

    うつ状態でも神経症が原因で起こっている場合は、他の神経症の症状の場合と同様に森田療法の学習により対応していくのが一番良い方法になると思います。

    森田療法の学習をしていく中で、憂鬱感や、やる気のなさに対する「とらわれ」が薄れてくると、これに比例して、うつ状態の症状を克服していけるものなのです。

    具体的には、森田療法の考え方を参考にして、憂鬱感や、やる気のなさといった、うつ状態の症状はそのままに、目の前の「なすべきこと」をこなすようにしていくことで、少しずつ「目的本位のクセ」がついてくるものなのです。

    そして、これに比例して、憂鬱感や、やる気のなさといった、うつ状態の症状を「あるがまま」に受け止めることが出来るようになってくると、この結果として、うつ状態の症状を克服することが出来るものなのです。

    つまり、神経症が原因の場合は、SSRIなどの抗うつ薬を使うことなく、うつ状態を克服していくことが可能なのです。