書痙
(手のふるえ)


(書痙克服のための具体的な説明)

書痙は「しょけい」と読みますが、人前で文字を書く時などに緊張し、手のふるえが起こり、恥ずかしい思いをする、という症状のことを言います。

結婚式や葬儀での記帳や、旅館やホテルに泊まる時のサインなどで、この症状に悩んでいる人も、案外、多いものです。

また、文字を書く時ではなく、宴会などで、お酒をついだり、お酒をついでもらう時に手のふるえが起こるという形で現れてくることもあります。

また、乾杯をする時にコップを持つ手がふるえてしまうという例もあります。

これらも書痙の症状の一つだと言えるのですが、「茶痙」(ちゃけい)と言われることもあります。

会社などで、お客様にお茶を出す時に、手のふるえが起こり悩むということも多いために、このように呼ばれるのではないかと思います。

なお、書痙も対人恐怖症の症状に入るものなのですが、私の経験から言うと、ある程度の年齢で、働き盛りの人に多いように感じます。

例えば、個人で事業をしている人とか会社の管理職をしている人などに比較的多く見られる傾向があるように思います。

また、むしろ書道を習ったりしており、人から字が上手だと言われるような人の方が書痙に悩むことが多いように思います。

これは、こういう人達は人前で字を書く機会が多かったり、あまり下手な字が書けないという思いが強いからではないかと思います。

そして、書痙に悩む人は、同じ対人恐怖症でも、対人不安や対人緊張は、それほど感じていない人が多いように思います。

人付き合いに関しては特に問題はなく、文字を書く時だけに症状を感じる人が多いように感じます。

こういう意味で、一応、対人恐怖症に含まれる症状だと言えますが、書痙の場合は普通神経症の症状に近い形をした症状だと言えるのではないかと思います。

なお、パーキンソン病や脳梗塞といった純粋な体の異常から手のふるえの症状が起こることもありますが、これらの場合には字を書く時といった特定の状況の時ではなく、特に手に力を入れていない状況の時にも、ふるえが起こってくるものなのです。

つまり、緊張しているかどうかには関わらず、手のふるえが起こってくるものなのです。

ですから、この場合は書痙とは別の症状だと考えて良いと思います。



(書痙克服の一口ヒント)

書痙に悩んでいる時は、字を書く時の手のふるえを異常なものとか、恥ずかしいことと考え、排除しようとしているものです。

そして、このために人前で字を書くことから逃げていることが多いものなのです。

しかし、このように症状に引きずられ人前で字を書くことから逃げてしまうことで、一時的には楽が出来ても、長い目で見ると、ますます手のふるえに対する「とらわれ」を強くし、症状を起こしやすくなってしまうものなのです。

ですから、まず、手がふるえても必要な字が書ければ充分なんだと受け止め、人前で字を書くことから逃げないようにしていくのが、第一歩になると思います。

そして、この上で、目的本位や「あるがまま」など、森田療法の考えに従って行動するようにしていくと、手のふるえに対する「とらわれ」薄れ、これに伴って、少しずつ書痙の症状が和らいでくるものなのです。


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