(不安神経症の原因と克服方法の解説)

  • 1.はじめに

    不安神経症は突然の心臓のドキドキやバクバク、息苦しさのために飛行機や電車などの乗り物に乗るのが怖いと感じる悩みになります。

    このページは今、病院の薬を何年も飲んでいるけれど、なかなか改善しないという人に、少しでも参考にして頂ければと思い作成いたしました。

    ですから今悩んでいる方は、このページの内容を参考にして克服の糸口を見つけていただければと思っております。

    なお、森田療法というのは大正から昭和にかけて東京慈恵会医科大学教授などをされていた森田正馬先生が創始されたものであり、当時は多くの病院で実施されていたものです。

    しかし、現在では森田療法に沿った対応をしている先生はほとんどいなくなっています。

    ただ、これは森田療法の効果がないからではなく、薬による対応の方が手間がかからず数をこなせるからだと思います。

    また、薬による対応であればマニュアル通りに行なえば、それほど経験がなくても行なえるという手軽さがあるからなのだと思います。

    しかし、薬による対応は手軽で経験が浅くても行なえる反面、神経症の根本的な改善にはたどり着きにくい面があると思います。

    これに対して、森田療法の場合は神経症の根本的な改善に有効なのですが、対応する人が神経質性格を持ち、ある程度の経験がないと行うことが難しいという面があります。

    このため、表面的な知識を身に付けただけでは行なうことが難しいために、現在では、森田療法を専門にする先生が、ほとんどいなくなっているのだと思います。

    ただ、幸いなことに森田療法は学習的な側面が強いという特徴があります。

    このため、辛い思いをしながらも、何とか毎日の生活を送ることの出来ている人であれば、病院に行かなくても、生活の発見会などの学習団体やメールカウンセリングを通して、森田療法の考え方を身に付けることで悩みを克服することが出来ると言われてます。

  • 2.不安神経症とは

    これは電車や飛行機などに乗っている時の突然のドキドキや、めまい、息苦しさのために、このまま死んでしまったらどうしようと「死の恐怖」を感じるという形で現れることが多いものです。

    また、後で詳しく説明させて頂きますが、怖くて高層ビルの高い階に行くことが出来ないとか、寝ている時に突然息苦しくなるとか、一人で留守番することが出来ない、飛行機に乗れない、心臓が痛くなるなど、色々な形で症状が現れてきます。

    ただ、いずれの場合も、ドキドキや息苦しさなどのために、このまま死んでしまったらどうしようと「死の恐怖」を直接的に感じる傾向が強いものです。

    つまり、これが不安神経症の場合の特徴だと言って良いと思います。

  • 3.ある人の体験例

    不安神経症に悩んでいる人の一例を挙げますと、下記のようになります。


    (Mさんの例)

    ある会社に勤めるサラリーマンのMさんは営業部の社員として仕事で常にトップに近い成績を上げていました。

    接待などで毎日のように夜遅くまで残業をし、休日も仕事の付き合いに費やすほど仕事熱心なMさんでしたが、ある朝、会社へ向かう通勤途中の電車の中で、突然、激しい動悸と息苦しさを感じ不安になってしまいました。

    心臓発作でこのまま死んでしまったらどうしようと不安を感じ、途中の駅で電車を降りてしまいました。

    この日のショックな出来事が「キッカケ」となり、これ以降、会社へ向かう通勤の電車の中で、たびたび動悸や息苦しさを繰り返すようになり、とうとう、「またあの苦しさが起きるのではないか」と電車に乗る前から意識するようになってしまいました。

    そして、通勤ラッシュを避けて通勤したり、途中下車を繰り返すようになりました。

    思いあまったMさんは心療内科を訪れ、原因が不安神経症であることを知りました。

    そして、病院で出してもらった動悸や息苦しさ、不安を抑える薬を飲む治療を始めました。

    治療をしていく中で、確かに薬を飲むと、いくらか動悸や息苦しさ、不安が和らぐことを感じましたが、このまま自分は一生、薬を飲み続けなければならないのかと、今度は薬を飲み続けることに対しても不安を感じるようになりました。

    しかし、病院からもらった薬を飲まないと、動悸や息苦しさ、不安で電車にも乗れないということで、毎日、葛藤を感じながら過ごしているのです。


    このMさんのように、病院の薬を飲みつつも、このまま薬を飲み続けて本当に改善するのだろうかと不安を感じている人が、今は増えているように思います。

    しかし、かえって、こういう不安を感じる位の人の方が神経質性格の特徴を持っているということになり、MTカウンセリングを通して、森田療法の考え方を身に付けることで悩みを克服していくことが出来るものなのです。

    なお、不安神経症に悩む人は、一般的に人見知りするとか、恥ずかしがり屋という面が少なく、むしろ外向的に見える人が多いように思います。

  • 4.不安神経症かどうかのチェック

    重複している部分があると思いますが、下記に挙げさせて頂いたものが代表的な例になりますので、ご自分の悩みと照らし合わせてチェックしてみると良いと思います。

    1.動悸や、めまい、息苦しさなどの不安のために、電車やバス、飛行機などの乗り物に乗れなくなってしまう。

    2.乗り物に乗っていたり、ベッドで寝ている時に、突然、心臓がドキドキしたり、バクバクして、このまま死んでしまうように感じる。

    3.夜寝る時や朝起きる時、人込みの中にいる時などに、息がうまく吸えず、失神するのではないかと不安になる。

    4.道を歩いている時などに、浮遊感や、クラクラ感のために真っ直ぐに歩けない。

    5.学校の授業中とか仕事の最中に、突然に胸が締め付けられ、呼吸が速くなり空気が吸い込めない感じになる。

    6.突然のドキドキや息苦しさ、めまいなどのために、このまま死んでしまうのではないかと「死の恐怖」を感じる。

    7.家族が仕事で出かけたりして家に一人でいる時に発作が起こったことがあり、また、同じようになったらどうしようと不安になる。

    8.胸の痛みや違和感のため心臓に異常があり死んでしまうのではないかと感じ、不安になる。

    9.ドキドキや、めまい、吐き気などの不安のために、家族と一緒でないと外出できず、仕事にも行けない状態になっている。

    10.エレベーターや歯医者、美容院など精神的に密閉された空間にいると苦しくなり冷や汗が出る。

    11.急行や特急など停車間隔が長い電車に乗っている時にドキドキや吐き気などの不安が起こる。

    12.仕事で出張する時やグループで旅行に行く時などに不安になり飛行機に乗るのを避けてしまう。

    13.道を歩いている時などに息苦しさや呼吸のしにくさから、このまま死んだらどうしようと感じる。

    14.突然、胸が痛くなり、このまま死ぬのではないかと不安になる。

    15.病院の治療や検査でMRIやCTの装置に入る時に不安になる。

    16.また心臓がドキドキしパニックになったらどうしようと感じ、思うように行動できない。

    17.歯医者や美容室などに対して不安を抱き、そのような場所や状況を避けてしまう。

    18.吐き気や嘔吐の不安のために外出したり、人と一緒に食事が出来ない。

    19.高いビルや橋などに行くことに対して恐怖や不安を感じてしまう。また、ジェットコースターのある遊園地などにも行けない。

    20.吐き気や息苦しさ、めまいなどの不安のために、レストランなどで食事が出来ない。

    21.高速道路でパニックになってから、車の運転が怖いので避けてしまう。

    22.自分で運転する時は良いけれど、人の運転する車に乗るのが怖い。

    23.出張で必要な時でも飛行機に乗るのが怖いので避けてしまう。

    24.渋滞でトンネルの中で車が止まった時に、急に息が苦しくなり全身から汗が噴き出し叫び出したくなったことがある。


    なお、メンタルヘルス岡本記念財団のホームページにも不安神経症に関する具体的な内容が載っているので参考になると思います。

  • 5.不安神経症に含まれる悩みの例

    下記のような悩みもよく見られるものになります。

    1)胸痛
    これは電車や飛行機、高速道路を走っている車の中、エレベーターや会議室、映画館、美容院など、その場から簡単に出られないような状況に置かれた時に胸がチクチク痛むといった形で起こってくる悩みになります。
    また、痛みというよりも違和感といった感じで起こることも多いようです。
    いずれにしても、本当に心臓に異常がある場合の痛みから比べると軽い痛みということになります。

    2)外食恐怖
    これは人と一緒にレストランなどに食事に行った時に吐き気やめまいが起こったことがあり、このために外食が出来なくなってしまうという悩みになります。
    ですから、この悩みの場合は対人緊張などとは別になります。

    3)飛行機恐怖症
    乗り物の中でも飛行機が特に苦手という人も多いものなのです。
    飛行機は普段はあまり乗らないものであり、また、空を飛ぶという特殊な条件があるために機内の密閉度が他の乗り物よりも強くなっているということも影響しているのではないかと思います。
    そして、この悩みのために国内であれば遠方でも新幹線を利用するという人も多いものなのです。

  • 6.不安神経症に影響すること

    ドキドキや息苦しさから、このまま死んでしまうのではないかと感じ、パニックになってしまうのが不安神経症の場合の特徴ですが、この背景には、より良く生きたいという「生の欲望」の強さがあるのだと思います。

    そして、こういう「生の欲望」の強さというのは神経質性格の特徴から来ているものなのです。

    つまり、神経質性格の特徴を持っているかどうかが大きく影響していると言って良いと思います。

    ただ不安神経症に悩むようなタイプの人は内向的で人付き合いが苦手という面は少ないように思います。

    むしろ、陽気で外交的に見られる人の方が多いのではないかと思います。

    ただ、欲求の強さや完全欲の強さといった神経質性格の特徴は充分、持っているのだと思います。

  • 7.私の体験から不安神経症ついて言えること

    今までに私も不安神経症の人と接する機会が何度となくありましたが、今、上に書かせて頂いたように同じ神経質性格でも、あがり症に悩むような人とはタイプが異なる印象があります。

    むしろ、陽気で外交的で人を笑わせるのが好きな、お笑い芸人的な人が多いように感じます。

    現実に、テレビなどにも良く出てくるお笑い芸人さんの中には不安神経症に悩んだ経験のある人が何人もいるようです。

    ただ、今は不安神経症の場合でも病院では薬を飲んで治そうとすることが多いので、ますます森田療法で出会う機会が減ってきているのではないかと思います。

    しかし、根本的に乗り越えるためには森田療法の考え方を身に付けていくことが必要になるのだと思います。

  • 8.原因

    不安神経症の場合は他のタイプの神経症の場合よりも、より直接的に「死の恐怖」が影響していると言って良いと思います。

    つまり、ドキドキや息苦しさとが起こった時に、このまま死んでしまうのではないかとか、大勢の人前で無様な姿をさらすことになるのではないかといった不安を感じることが多いものなのです。

    また、不安神経症が起こる「キッカケ」は、例にも書かせて頂きましたが、たまたま寝不足などで体調が悪い時に電車の中で突然、激しい動悸や息苦しさを感じ不安になってしまったといったショックな出来事が挙げられると思います。

    これが、いわゆる「外的要因」ということになります。

    そして、元々、心配性で完璧主義な神経質性格の特徴を持っており、これにプラスして不安などの感情に対する間違った考え方を持っていると、これが「内的要因」になり、ますます不安やドキドキを強くすることになってしまうのです。

    つまり、こういう「内的要因」と「外的要因」が重なることで不安神経症が起こるようになるです。

    そして、不安やドキドキだけに目を向け、これを無くそうとする行動を繰り返すことで、逆にますます不安やドキドキを強くしてしまうものなのです。

    これが森田療法で言っている気分本位の行動ということになるのですが、こういう気分本位の行動を繰り返すことで、ますます不安やドキドキに対する「とらわれ」が強くなってしまうのです。

    ですから、ここに原因があると言って良いと思います。

  • 9.「とらわれ」が原因ではない場合の対応

    乗り物に乗っているような時に突然、ドキドキや不安が起こる場合でも心臓などの異常が原因になっていることも中にはあると思います。

    そして、こういう場合は心臓などの治療をしていくことが必要になると思います。

    そして、これは病院での検査で明らかになることだと思います。

  • 10.「とらわれ」が原因の場合の克服方法

    今は「とらわれ」が原因になっている場合でも病院では薬による対応がメインになっていると思います。

    しかし、これは森田療法の立場から見ると、気分本位の誤った方向の対応ということになってしまうと思います。

    つまり、不安神経症の原因は死の恐怖に対する「とらわれ」にありますから、この「とらわれ」を解消していくことが本来の対応であり、また、根本的な克服に結びつくのだと思います。

    つまり、薬に頼らず、目的本位や「あるがまま」など森田療法の考えに沿って行動していく中で「死の恐怖」に対する「とらわれ」が解消されてくれば、これで充分、根本的に克服していくことが出来るものなのです。

    なお、ドキドキや、めまい、吐き気、息苦しさといった状態に陥った時に「これは、大変だ」とか「このまま死んでしまったら、どうしよう」と考えてしまうと、さらに不安を大きくしてしまうものなのです。

    しかし、今までに「とらわれ」から来るドキドキや、めまい、吐き気、息苦しさのために命を失ったり、体に障害を残すようなことになった人は、一人もいないのです。

    ですから、まず、この事実をきちんと自覚していくことが大切だと思います。

    そして、この上で、目的本位や「あるがまま」など、森田療法の考えに従って行動するようにしていくと、不安を必要以上に大きくしなくて済み、少しずつ良い方向に向いてくるものなのです。

    ですから、これが最も良い克服法になると思います。

  • 11.まとめ

    不安神経症の原因や対策について色々説明させて頂きましたが、今、飛行機や電車に乗るのが怖いとか、不安で車の運転が出来ないといったことに悩んでいる方で、心配性や完璧主義といった神経質性格の特徴を持っている人であれば、MTカウンセリングを通して森田療法の学習をしていく中で悩みを克服していくことが可能だと思います。

    なお、こちらのページから、症状のことなどを書いて、お問い合わせを頂ければ、あなたの悩みがMTカウンセリングに適用できるかどうかを判断させて頂きます。

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