(克服のための具体的な説明)
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更新日 2021.08.19
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1.症状
飛行機恐怖症は乗り物恐怖症の症状の一種になりますが、悩んでいる人が多いために独立した名前がついています。
出張の機会の多いサラリーマンなどに良く見られる症状になりますが、この症状のために飛行機に乗れないことから新幹線を利用するという人も多いものです。
また、中には飛行機に乗るのが苦手で、海外旅行に行けないという人もいます。
この飛行機恐怖症の場合も乗り物恐怖症に共通して見られる動悸や窒息感、めまい、吐き気といった症状が起こります。
飛行機に乗っている時に突然、心臓のドキドキや窒息感を感じ、このまま死んだらどうしようと「死の恐怖」を感じるような出来事があると、この経験をキッカケにして症状が起こってくるものなのです。
つまり、また、あの時のような辛い状態になったらどうしようと予期不安を感じ、このため、飛行機に乗れない状態になっているのが、飛行機恐怖症の場合の特長だと言って良いと思います。
また、飛行機恐怖症は不安神経症の一種であり、うつ病などの器質的な心の病気とは異なるものになります。
なお、飛行機恐怖症の場合は高所恐怖症の要因も入っていると思います。
つまり、電車やバスといった地上を走る乗物の場合とは、いくらかニュアンスが違ってくると思います。
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2.薬を用いない克服方法
飛行機に乗っている時に突然、激しい心臓のドキドキや窒息感を感じ、「これは、大変だ」とか「このまま死んだら、どうしよう」と考えてしまうと、さらに不安を大きくし心臓のドキドキや窒息感を強くしてしまうものなのです。
しかし、未だかつて、動悸や窒息感のために命を失ったり体に障害を残すようなことになった人は一人もいないのです。
ですから、まず、この事実をきちんと自覚していくことが大切だと思います。
そして、この事実を踏まえて、心臓のドキドキや窒息感といった症状を感じながらも飛行機から降りないようにしていくことが大切になります。
また、不安や苦手意識を感じながらも必要があれば飛行機に乗ることが森田療法で言っている「目的本位の行動」ということになり大切になってきます。
そして、こういう目的本位の行動と併行して森田療法の学習をしていくと、この積み重ねの中で少しずつ飛行機に乗れない状態から抜け出すことが出来るものなのです。
そして、この結果として飛行機恐怖症の症状が治ってくるものなのです。
ですから、これが薬を用いない克服方法ということになります。