(原因と克服方法)
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更新日 2021.08.19
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1.外出恐怖とは
外に出るのが辛い悩みである外出恐怖は不安神経症でよく見られる症状になります。
家庭の主婦で、このために買い物に行けないという人も多いものです。
また、外出先で、めまいや動悸が起こり、倒れてしまうのではないかと感じ、外出が困難になっているという人もよく見られます。
このような外出恐怖に悩んでいる人は死の恐怖と共に、知らない人に自分の、みっともない姿をさらしたくないという考えがあり、このために余計に不安を強くしていることが多いのではないかと思います。
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2.原因
外出恐怖の場合も他の神経症の場合と同様に神経質性格という内的な原因と、たまたま外出している時に息苦しさや動悸、めまいといった症状を感じショックな経験をしたといった外的な原因が重なって起こるものなのです。
つまり、この2つが原因になると言って良いと思います。
そして、また外出している時に息苦しさが起こったらどうしようといった不安に引きずられ必要な外出から逃げてしまうことで、一時的には楽が出来るのですが、長い目で見ると、ますます外出に対する不安や症状を強くすることになってしまうのです。
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3.薬を用いない克服法
外出時に、めまいや動悸、息苦しさを感じ「これは、大変だ」とか「このまま倒れてしまったらどうしよう」と考えてしまうことで、さらに不安を大きくし、めまいや動悸、息苦しさといった症状を強くしてしまうものなのです。
しかし、未だかつて、外出恐怖に伴う、めまいや動悸、息苦しさのために命を失ったり体に障害を残すようなことになった人は一人もおりませんので、まず、この事実をきちんと自覚していくことが大切だと思います。
また、外出恐怖に伴う、めまいや動悸といった症状はどんなに長くても10分以内で収まってくるものなのです。
ですから、このことも踏まえて、不安や症状を感じながらも必要があれば外出するようにしていくことが大切になってきます。
つまり、これが森田療法で言っている目的本位の行動ということにもなるのです。
また、日頃から色々な面で目的本位など森田療法の考えに従って行動するようにしていくと、この積み重ねの中で少しずつ目的本位の「クセ」が身に付いてくるものなのです。
そして、こうなれば、いざ外出する状況が訪れても不安を必要以上に大きくしなくて済み、外出恐怖の症状を感じることがなくなって来るものなのです。
ですから、これが外出恐怖に対する薬を用いない克服法になるのです。