(正視恐怖症の原因と克服方法の解説)

  • 1.はじめに

    レストランで食事をする時などに面と向かった席に座ることを避けてしまう人も多いものだと思います。

    これは面と向かって座った時に相手の人と目が合うのがバツが悪いと感じるからなのですが、この自分の目のやり場に困り、悩んでいるという人も多いものです。

    これが、このページで取り上げている正視恐怖症と言われているものなのですが、これは科学技術が進歩した現代でも、悩んでいる人が多いと思います。

    このページでは、今、人の目を見て話せないといったことで悩んでいる人を対象にして、私自身の経験も踏まえて正視恐怖症について解説させて頂きます。

  • 2.正視恐怖症とは

    正視恐怖症は人間関係の悩みの一種だと言えます。

    視線に関する悩みにも色々なパターンがあります。

    人から見られているのではないかと人の視線が気になり、ぎこちなくなったり体が固くなってしまうというパターンがもっとも多いと思います。

    これに対して、正視恐怖症の場合は人の目が気になるということではなく、自分自身の視線によって人から変に思われるのではないかと気になり悩んでしまうものなのです。

    一対一で面と向かって話している時に自分の目つきが相手から変に思われるのではないかと感じ、目のやり場に困ってしまうとか、相手の人の目を見ることが出来ない、相手の顔を見て話せない、というような形で現れます。

    また、会社などで向かい合って机が並んでいるような状態の時に、正面にいる人の顔や目が見られないとか、自分の目線のために正面の人から変に思われたり嫌われていると感じてしまうこともあります。

    また、若い女性の場合はデートをしている時に緊張や恥ずかしさから相手の男性の顔を見て話すことことが出来ず、視線を外したり、そらしてしまうというパターンになることも多いものです。

    このように緊張や恥ずかしさから人の目を見ることが出来なくなっているのが正視恐怖症の特長だと言って良いと思います。

    ただ、この正視恐怖症も、基本的には自分が人から変に思われるのではないかという不安がベースになっていますので、人間関係の悩みの一つになるものなのです。

  • 3.正視恐怖症かどうかのチェック

    下に箇条書きで具体的な状態を書かせて頂きましたので、ご自分の今の状態と当てはまるところがあるかどうかをチェックしてみて頂ければと思います。

    これらの項目の中に当てはまるものがあれば、あなたの悩みは正視恐怖症の可能性が高くなると思います。

    1)相手の目や顔を見て話せない。
    2)人と目を合わせるのが怖い。
    3)面と向かって話している時に目を合わせることが出来ない。
    4)人と話している時に目のやり場に困る。
    5)1対1で話している時に相手の目を見ることが出来ない。
    6)異性と話している時に、うつむき加減になる。
    7)1対1で話すような時に顔を横にずらしてしまう。
    8)自分の視線が相手から変に思われているように感じてしまう。
    9)自分の目線のために正面の人から嫌がられているように感じる。
    10)レストランなどで向き合って座っている時に視線をそらしてしまう。

  • 4.正視恐怖症の時に同時に起こりやすい悩み

    人と話している時に相手の目を見ることが出来ないという悩みを持っている時は下記のような悩みも感じていることが多いと思いますので、紹介させて頂きます。

    1)対人緊張
    これは人と話すような時に緊張してしまい、思うように話せなくなってしまうという状態になっているものです。
    正視恐怖症い悩んでいる時は自分の視線によって相手に変に思われるのではないかと感じているものですが、これと同時に人と接している時に緊張や不安を感じていることが多いものなのです。
    つまり、対人的な緊張や不安が赤面や震えだけではなく自分の視線の方にも注意を向けやすくなると言って良いと思います。
    そして、これは人と接している時に相手から良く思われたいとか、好かれたいといった欲求が強いから起こってくることなのです。
    森田療法では欲求と不安は表裏一体の関係にあると言っていますが、相手から良く思われたいという欲求が強ければ強いほど、対人緊張も起こりやすくなるものなのです。

    2)表情恐怖
    これは自分の顔の表情が相手から変に思われているのではないかと気になり、悩んでしまうものですが、正視恐怖症に悩んでいる時は自分の顔の中でも特に自分の目つきが気になっているものなのです。
    人によっては自分では意識していないのに、きつい目つきになり、相手を睨んでいるように思われているのではないかと悩んでいる人もいます。
    また、目のやりどころに困り、視線が泳いでしまうことで、自分の表情が相手から変に思われていると感じている人も多いものなのです。
    なお、表情恐怖の場合は自分の目つきだけではなく、眉間にしわが寄るとか、暗い顔つきをしているとか、笑顔が醜いとか顔全体に対して劣等感が強くなっている状態になります。

    3)視線恐怖症
    相手の目を見ることが出来ないというのは正視恐怖症の場合の特徴になりますが、人の視線が気になり、ぎこちなくなってしまうということで悩んでいる人も多いものなのです。
    これが、いわゆる視線恐怖症ということになるのですが、これも若い人をメインにして良く見られるものになります。
    ただ、これも自分が相手からどう思われているか、変に思われているのではないかと、自分を中心にして考える、自己中心的傾向が強くなっているために起こる悩みなのです。
    ですから、これも人間関係に関わる悩みに含まれるものだと言って良いと思います。

  • 5.正視恐怖症に影響すること

    自分の目つきや視線のことが気になってしまうというのは、今、上にも書きましたが、自分が周りの人からどう見られているか、変に思われているのではないかと、自分を中心にして考えているところから起こってくるものなのです。

    こういう意味で自己中心的傾向の強さが、大きく影響していると言って良いと思います。

    また、これは神経症全般に言えることですが、神経質性格の特徴を持っているかどうかが、正視恐怖症の場合にも一番、影響していると思います。

    神経質性格の特徴を持っている人は心配性で完全欲が強く、人から良く思われたいという欲望も人一倍、強いために、どうしても自分が人からどう見られているかということが気になりやすいのだと思います。

    そして、視線に関わる何らかのショックな出来事や恥ずかしい経験などが「きっかけ」になり、自分の目つきにとらわれるようになってしまうのだと思います。

  • 6.私の体験から正視恐怖症について言えること

    人の目をまともに見られないとか、視線をそらしてしまうというのは自分に対する自信が失われている時に起こりやすいのではないかと思います。

    あがり症などの人間関係の悩みのために劣等感や自信のなさを強くしている時は自分の表情や態度を人に知られることに対して警戒心を強くしているように思います。

    そして、気の強い人の場合は、この警戒心が逆に傲慢な態度や行動になって表れるのだと思います。

    しかし、神経質性格の特徴を持った気の弱いタイプの人の場合には人を避けるという方向に向かってしまうのだと思います。

    つまり、緊張や自信のなさに引きずられて人と接することを避けてしまうようになるのだと思います。

    しかし、これは森田療法で言っている気分本位の行動になることですから、人を避けることで一時的には楽が出来たとしても、長いスパンで見ると、逆に、余計に緊張や自信のなさを強くすることになってしまうと言えるのです。

    今は正視恐怖症の場合でも精神科などのクリニックに行くと抗うつ剤などの薬で対応されることが多いと思います。

    しかし、これも悩みだけに目を向け、これを取り除こうとするものですから、森田療法で言っている気分本位の行動になり、根本的な解決には繋がらないのだと思います。

    ですから、正視恐怖症の場合にも森田療法の学習で対応していった方が克服できる可能性が高いと思います。

  • 7.原因

    正視恐怖症の場合は自分の目つきや視線のために人から変に思われるという「とらわれ」が出来ている状態だと言って良いと思います。

    そして、こういう「とらわれ」が出来るのは、心配性や完全欲の強さといった神経質性格の特徴を持っていることが内的要因になっているのだと思います。

    そして、この内的要因にプラスして、視線に関わる恥ずかしい体験や人から変に思われたに違いないと感じるようなショックな出来事が起こることで「とらわれ」が形成されるのだと思います。

    つまり、この恥ずかしい体験やショックな出来事というのが外的要因ということになるのですが、これと内的要因が重なることで正視恐怖症の状態に陥ると言って良いと思います。

  • 8.「とらわれ」が原因ではない場合の対応

    「とらわれ」が原因ではない自分の目つきや視線に対する悩みというのは精神的な病気の場合ということになります。

    うつ病や統合失調症などの心の病気の場合にも正視恐怖症と同様の状態になることがあるものなのです。

    そして、この場合は元になっている病気の治療が必要になってきます。

    つまり、脳や神経の異常から起こる心の病気の場合には薬などで対応していくのが一番良い方法になると思います。

  • 9.「とらわれ」が原因の場合の克服方法

    自分の視線や目つきに対する「とらわれ」が原因の場合は薬による対応よりも森田療法の学習により対応していった方が克服に結びつきやすいと思います。

    つまり、森田療法の学習をしていく中で自覚が深まり「目的本位のクセ」が身についてくると、これに比例して自分の視線や目つきに対する「とらわれ」が薄れてくるものなのです。

    正視恐怖症の場合は自分の目つきや視線のために人から変に思われるという「とらわれ」が出来ている状態なのです。

    ですから、当面は自分の目つきや視線が気になったまま目の前の「なすべきこと」を逃げずにこなすようにしていくことが大切になってきます。

    つまり、これが森田療法で言っている目的本位の行動ということになるのです。

    そして、こういう目的本位の行動を積み重ねていく中で自覚が深まり「目的本位のクセ」が身についてくると、これに比例して正視恐怖症の悩みが改善してくるものなのです。

  • 10.まとめ

    今まで正視恐怖症について色々書かせて頂きましたが、ピンと来るところはあったでしょうか。

    もし、少しでもピンと来るところがあった方は、こちらのページから、今のあなたの視線に関わる悩みのことを書いて送ってみて下さい。

    送って頂いた内容を拝見し、あなたの今の悩みがMTカウンセリングによる森田療法の学習により克服できるかどうかを無料で判断させて頂きます。