(原因、克服方法の解説)

  • 1.概要説明

    対人恐怖症は一言で言うと「人が苦手で人と話すのが怖い悩み」ということになりますが、人前で緊張し思うように話が出来なくなってしまうとか、顔が赤くなってしまう、人の視線が気になってしまう、といった形で現れてくるものです。

    人が苦手で人と話すのが怖い悩みには色々な形がありますが、いずれも人から変に思われるのではないかとか、嫌われたらどうしようといった対人関係の不安が根底にあると言えます。

    人見知りをするとか、人に気を使うということは、誰にでも多かれ少なかれあるものですが、これが過度に強くなり「とらわれ」が出来ている状態だと言って良いとと思います。

    そして、悩んでいる時は人間関係が苦手になったり、人付き合いが不安になってしまうことが多いものです。

    また、人が苦手で人と話すのが怖い悩みを改善するために本を読んだり民間療法に頼ったり宗教に救いを求めたりすることも多いように思います。

    しかし、このような人が苦手で人と話すのが怖いという部分だけに目を向け、これを治そうとしてしまうと、逆に、かえって悩みを強くしてしまうものなのです。

    なお、最近は人が苦手で人と話すのが怖い悩みの場合でも病院で診てもらうと、社会不安障害などと診断され薬で治療されることが多くなってきたように感じます。

    また、最近、テレビや新聞などのマスコミで目にすることの多くなった発達障害とかコミュニケーション障害、アスペルガー症候群と言われているものの中には人が苦手で人と話すのが怖い悩みである対人恐怖症の場合が、かなり含まれているように思います。

  • 2.悩みのチェック

    対人恐怖症の主な表れ方をまとめると下記のようになります。

    このため、ご自分の悩みが当てはまるかどうかをチェックしてみるのも良いと思います。

    (具体的な表れ方)
    1.赤面症
    2.視線恐怖
    3.劣等感
    4.予期恐怖
    5.対人不安
    6.対人緊張
    7.書痙
    8.震え恐怖
    9.笑顔恐怖症
    10.表情恐怖
    11.醜形恐怖症
    12.多汗症
    13.正視恐怖症
    14.吃音恐怖
    15.雑談恐怖症
    16.おなら恐怖
    17.唾液恐怖症

  • 3.原因

    人が苦手で人と話すのが怖い悩みである対人恐怖症にどうしてなるかということですが、森田療法では2つの要因があると言っています。

    1つは「外的要因」と言われているものであり、学校の授業中に突然指名され発表する時に声が震えてしまったというような恥ずかしくショックな出来事が「キッカケ」になることが多いものなのです。

    そして、もう1つは「内的要因」と言われているものですが、不安や緊張などの感情や、赤面や震えなどの症状に対する「誤った考え方」というものが挙げられます。

    つまり、人前で緊張したり声が震えてしまうことを、人から変に思われる恥ずかしいことであり、絶対にあってはならないことだという「誤った考え方」があると、かえって緊張や声の震えの方に注意が向いてしまうことになるのです。

    そして、この結果、注意と症状の悪循環が起こり「とらわれ」が出来、人が苦手で人と話すのが怖い悩みを、ますます強くしてしまうものなのです。

    そして、こういう「誤った考え方」や認識は神経質性格の特徴を持っている人に起こりやすいものなのです。

    ですから、「外的要因」が「キッカケ」になり、神経質性格や感情や症状に対する「誤った考え方」などの「内的要因」によって、ますます強くしてしまうと考えて良いと思います。

    このため、この2つが原因だと言って良いと思います。

    つまり、脳とか神経の異常が原因ではないのです。

  • 4.改善と克服のための方法

    先ほども書きましたが、今は病院に行くと、人が苦手で人と話すのが怖い悩みである対人恐怖症の場合でも薬を出されるのが一般的になっていると思います。

    しかし、人が苦手で人と話すのが怖い悩みは「とらわれ」が出来ているために起こっているものなのです。

    ですから、いくら薬を飲んでも根本的な改善や克服には結びつかないのです。

    つまり根本的な改善や克服のためには、まず、今は悩んでいる最中だから緊張して当然なんだと受け止めるようにしていくのが第一歩になると思います。

    そして、この上で、目の前の「なすべきこと」を1つ1つ、きちんとこなすようにしていくことが大切になってくるのです。

    つまり、これが森田療法で言っている目的本位の行動ということになるのです。

    そして、このように目的本位に行動していくことで、その時の緊張を「あるがまま」に受け止めることが出来るものなのです。

    そして、この積み重ねの中で少しずつ、人が苦手で人と話すのが怖い悩みが改善してくるものなのです。

    ですから、これが人が苦手で人と話すのが怖い悩みである対人恐怖症の克服法になると言って良いと思います。

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