(症状と原因、治し方の解説)

  • 1.はじめに

    人前で顔が赤くなることで悩んでいる人も、案外、多いのではないかと思います。

    私自身も中学生の頃、顔というよりも耳が赤くなることで悩んでいた時期がありました。

    この耳や顔が赤くなることで人から変に思われるのではないかと悩むのが赤面症と言われている症状になります。

    なお、森田療法では赤面恐怖症と呼ぶことの方が多いと思います。 いずれにしても、今、人前で顔が赤くなることで悩んでいる人も中には、いることと思います。

    このページでは、こういう方のために、いくらかでも参考にして頂ければと思い、作成いたしました。

  • 2.赤面症とは

    人前で顔が赤くなることで悩む赤面症は赤面恐怖症とも言われますが、対人関係の悩みの中でも多汗症や視線恐怖と共に特に多く見られる症状の一つになります。

    赤面症は人前で顔が赤くなってしまうとか、赤みをおびる、顔がほてるという形で現れる症状ですが、人によっては、頬が赤くなることが悩みだったり、耳たぶが赤くなることが悩みだったりと、赤くなる場所は人によって、それぞれだと言えます。

    このように赤面が起こる場所が違ってくるのは体質的なものもあると思いますが、精神的な要因も大きいものなのです。

    つまり、その人にとって一番、人から見られると恥ずかしいと感じている場所に赤面の症状が起こりやすいものなのです。

    ただ、いずれの場合も、人前で顔が赤くなることで人から変に思われるのではないかとか、自分が相手に好意を持っていると勘違いされるのではないかとか、人から見下されるのではないかとか、考えていることが多いものなのです。

    また、赤面症は他の対人恐怖症の症状と同様に苦手な相手とか自分にとって影響が大きいと思える相手に対して起こることが多い傾向があります。

    若い人であれば自分と同年代の異性の前で赤面の症状が起こり、会社員であれば苦手な上司とか、学生であれば担当の先生とか、自分にとって影響が大きいと感じる相手に赤面症の症状が起こる場合が多いものなのです。

    ですから、家族とか親しい相手に対しては症状が起こりにくい傾向があります。

    ただ、顔が赤くなることに対して「とらわれ」が非常に強くなっている時は、相手が人間でなくても、例えば、家で飼っている犬に対してでも症状が出てしまうことがあるのです。

    また、他の誰もいない一人の時でも症状が出てしまうことがあります。

    これは顔が赤くなる症状が一種の条件反射になっているからだと言って良いと思います。

    また、赤面症に悩んでいる時は、顔の赤くなっている部分を隠すためにメイクをしたり、髪を伸ばしたり、帽子をかぶったり、サングラスをしたりすることも多いものです。

    しかし、これらは森田療法で言っている気分本位の「はからい」の行動になりますから、一時的には楽になれたとしても、長い目で見ると、ますます赤面症の症状を強くすることになってしまうのです。

    なお、顔の赤みが気になる赤ら顔は慢性的に症状が気になるものですが、赤面症の場合は、動揺したり緊張したりした時に発作的に症状が起こることが多いものなのです。

  • 3.具体的な症状

    赤面症は下記のような形で現れることが多いと思います。

    ですから、これらの項目の中に、今、あなたが悩んでいる症状があるかどうかをチェックしてみると良いと思います。

    1.また、人前で顔が赤くなるのではと不安になっている
    2.会社や学校など他人の中にいる時に顔が赤くなってしまう
    3.異性と話すと急に顔が赤くなる
    4.授業を受けている時に耳が赤くなり変に思われていると感じる
    5.顔が赤くならない方法を色々試すが治らない
    6.恥ずかしく感じた時に異常に顔がほてる
    7.耳や顔が赤いことで周りの人から変に思われると感じる
    8.苦手だと感じる状況に置かれると、すぐに顔が赤くなる
    9.授業中、先生にあてられたらすごく赤くなり恥ずかしい
    10.ほっぺたが赤みを帯びていることで劣等感を抱いている
    11.異性や初対面の人と話すと、耳まで赤くなる
    12.友達に付き合っている人のことを茶化されると顔が赤くなってしまう
    13.美容院に行くと、いつも顔がほてり、汗が止まらない
    14.上司や先生に会うと、なぜだか赤面してしまう
    15.好きなタイプの人が近くに来ると顔が真っ赤になる
    16.顔の赤みのために人から変に思われているように感じ気になる
    17.また顔が赤くなったらどうしようと不安で床屋へ行けない

  • 4.赤面症と同時に起こることの多い神経症の主な症状

    具体的な例は上に書かせて頂きましたが、同時に起こることの多い神経症の症状がありますので、これを紹介させて頂きます。

    1)対人不安
    これは人と会わなければならないような状況の時に、また、顔が赤くなったり震えたらどうしようと感じ、不安になってしまう症状になります。
    対人恐怖症に共通して見られるものだと言って良いと思います。

    2)対人緊張
    これは今、上に書かせて頂いた「対人不安」と同様に人間関係に悩んでいる時に共通して見られる症状だと言って良いと思います。
    会社や学校など大勢の人と接しなければならない状況に置かれると緊張し、ぎこちなくなってしまうといった形で起こるものです。

    3)多汗症
    これは人前で異常に汗をかいてしまうという症状ですが、赤面症に悩んでいる時は、これと同時に汗の悩みも同時に抱えている場合が多いと思います。
    顔が赤くなることで体が熱感を感じ、このために、余計に汗が出やすくなるのではないかと思います。

    4)視線恐怖症
    これは人の目が気になり金縛りにあったような感じになってしまうことの多い症状ですが、これと同時に顔が赤くなってしまうということも多いものです。
    そして、顔が赤くなることで、また、余計に周りの人の視線が気になるといった悪循環に陥っていることが多いものなのです。

    5)書痙
    これは銀行や役所などで書類を書かなければならないような時に手の震えのために、思うように書けなくなってしまうという症状です。
    そして、この手の震えを側にいる人から変に思われると感じ、ますます緊張してしまうのですが、この緊張に伴い顔や耳が赤くなるということも多いものなのです。

  • 5.赤面症に影響すると思われる神経症の症状

    4で同時に起こりやすい症状について紹介させて頂きましたが、ここでは赤面の悩みに影響しやすいものを書かせて頂きます。

    1)劣等感
    対人恐怖症に悩んでいる時は誰でも非常に劣等感を強くしているものです。 しかし、この劣等感のために、人を避けたりしてしまうことが多いものなのです。
    しかし、人を避けると一時的には楽になれるのですが、長いスパンで見ると、ますます劣等感を強くすることになるのです。
    そして、この劣等感の対象が顔が赤いことに向いてしまうと、赤面症に発展しやすくなるのです。

    2)口下手
    一人っ子とかで家族の人数が少ない環境で育った場合に、人と会話する機会が少なく、このため会話の技術が身に付かず、この上、神経質性格の特徴を持っていると、極端な口下手の状態になりやすいと思います。
    そして、自分が口下手なことに対して強い劣等感を抱いていることが多いものなのです。
    そして、この劣等感の強さが顔が赤くなることに向いてしまうと、1)の劣等感の場合と同様に赤面症になりやすいものなのです。

    3)人見知り
    これは元々、小さな子供に対して使われる言葉ですが、大人になってからも苦手な人に対して硬くなってしまうという人もいるものなのです。
    特に神経質性格の特徴を持った人は、この傾向が強いと思います。
    そして、苦手な人の前で緊張してしまうことから赤面症の症状にもつながりやすいものなのです。

    4)笑顔恐怖症
    これは作り笑いをした時などに顔が引きつることで悩む症状ですが、常に自分の顔に注意が向いている状態になります。
    このため、何らかの「キッカケ」で、顔の引きつりだけではなく、顔の赤みやほてりに注意が向くと、赤面症に発展する可能性があると思います。

    5)自己表情恐怖
    これは顔が歪んだり、頬がピクついたり、まぶたがピクピクしたりすることで相手から変に思われるのではないかと悩む症状になります。
    ですから、4)の症状も含まれることになりますが、4)で書かせて頂いたのと同じメカニズムで赤面症を引き起こす可能性が高いと思います。

    6)自己臭恐怖
    これは自分の体の臭いによって周りの人が嫌な思いをしているとか、嫌われていると感じる症状になります。
    女性の場合であれば脇汗の臭いから来る「わきが」という悩みが有名ですが、これも大きな「くくり」で言えば、この症状に含まれます。
    そして、自分の臭いに対する「とらわれ」が、何らかの出来事で顔や耳が赤くなることに対する「とらわれ」に変化すると赤面症に発展すると思います。

  • 6.私自身の体験例


    (赤面症に悩んでいた時の状況)

    始めにも書かせて頂きましたが、私の場合は中学校に入学してから顔というよりも耳たぶが赤くなることで悩みました。

    週に1回、全校朝礼というものがありましたが、ここでクラス毎に立った状態で整列をして並び、校長先生などの話を聞くようになっていました。

    そして、「キッカケ」はよく覚えていませんが、何時からか、整列をして並んでいる時に後ろの生徒の視線が気になるようになり、耳が赤くなるようになってしまいました。

    そして、このことで、変に思われているに違いないと感じるようになり、全校朝礼の時間が苦痛になっていました。

    私の場合は面と向かって普通に話している時には顔が赤くなることはありませんでしたが、何かで誉められたり、からかわれた時などに耳だけではなく、顔も赤くなることが多かったです。

    ただ、私の場合は、この頃にトイレに行っても、またすぐに行きたくなるという今考えれば、頻尿恐怖の症状にも悩んでいました。

    ですから、授業中はトイレのことに注意が向き、朝礼の時には耳の赤さの方に注意が向くという状態になっていました。

    これらの症状は中学校を卒業するまで続きましたが、この頃は勉強で良い成績を上げたいということにも注意が向いていたために、何とか乗り越えることが出来たように思います。

    私が通っていた中学校では中間テストや期末テストの結果がプリントされ公開されたために、自分がクラスや学年の中で何番目かということが分かり、このために負けず嫌いな面に火がつき、勉強に対する意欲が起こったのではないかと、今は感じています。


  • 7.原因

    赤面症も対人恐怖症の症状の1つですから、人から変に思われたらどうしようという不安が根本的な原因だと言って良いと思います。

    つまり、人前で顔が赤みをおびたり赤くなることで人から変に思われてしまうという思いがあると、かえって赤面の症状が起こりやすくなるものなのです。

    森田療法では、これを精神交互作用と言っていますが、赤面の方に注意を向ける事で、ますます顔が赤くなりやすいものなのです。

    学校の授業中に突然指名されて、みんなの前で発表しなければならない時に顔が赤くなり、恥ずかしい思いをしたといった経験があると、これが「キッカケ」になって赤面症の症状が起こるようになることも多いものなのです。

    つまり、こういう恥ずかしい経験が「キッカケ」になり、注意の方向が赤面の方に向くようになりやすいものなのです。

    ですから、これが外的な原因だと言っても良いと思います。

    そして、今度は顔が赤くなることを避けようとして、人前を避けてしまったり、さっきも書きましたが、メイクをしたり、髪を伸ばしたり、帽子をかぶったり、サングラスをしたりといった工夫をしてしまうことで、逆にますます赤面症の症状を強くしてしまうものなのです。

    森田療法では、これを気分本位の「はからい」の行動と言っていますが、こういう誤った方向の努力を繰り返すことで、ますます症状を強くしてしまうものなのです。

    ですから、これが内的な原因だと言って良いと思います。

    そして、この内的な原因が赤面症の症状に一番、影響していると言って良いと思います。

  • 8.原因が神経症ではない場合の治す方法

    赤ら顔のように神経症の「とらわれ」が原因ではなく、体質や体の異常が原因で顔が赤くなる場合は、薬や手術、鍼などで治療することも必要になると思います。

    具体的には血管や血管中の血液に原因がある場合や、酒さやニキビ、アレルギーなどで皮膚自体が炎症を起こして赤くなっていることが原因の場合があると思います。

    ただ、これらの症状の場合は人前での緊張や不安といったものとは関係がありませんから、赤面症とは根本的に異なると考えて良いと思います。

  • 9.神経症が原因の場合の治し方と克服のためのヒント

    今、上にも書きましたが、赤面症は対人恐怖症の症状の一種であり、鬱病などの心の病気とは全く異なるものなのです。

    また、赤ら顔などとも異なり体質的な原因もほとんどないと言って良いと思います。

    どちらかと言えば、色白の人の場合に赤面した状態が目立ちやすい傾向はありますが、これと赤面症の悩みは別問題だと考えて良いと思います。

    つまり、同じ程度に顔が赤くなったり、赤みをおびても、赤面症に悩んでいない場合は、それほど気にならないものなのです。

    ですから客観的な赤さや赤みとは、あまり関係ないと言って良いと思います。

    つまり、顔の赤さや赤みに対する「とらわれ」が出来ているかどうかが問題なのです。

    ですから、抗うつ剤や抗不安薬、漢方といった薬を飲んで一時的に不安や緊張を抑えることで赤面症の症状を和らげたとしても、これだけでは根本的な治し方にはならないと思います。

    また、多汗症と同様にメイクをしたり赤みを抑えるような塗り薬を使っても、これも根本的な克服には結びつかないものなのです。

    また、病院によっては皮膚の毛細血管の異常だと診断し手術で治そうとする所もありますが、これも赤面症の場合には根本的な治し方にはならないと言えるのです。

    つまり、顔が赤くなることで人から変に思われるという「とらわれ」が薄れてくることで、初めて赤面症の症状を克服していけるものなのです。

    そして、このためには森田療法の考え方を身に付けていくのが一番の近道になると思います。

    つまり、森田療法の考え方に沿って目的本位の行動を取るようにしていくことが、赤面症の最も効果的な治し方になると言って良いと思います。

  • 10.まとめ

    赤面症について私自身の体験も交えながら説明させて頂きましたが、思い当たるところはありましたでしょうか。

    もし思い当たる点があるという方は、無料診断のページから、今の悩みや症状のことなどを書いて送って下さい。

    送って頂いた内容を拝見し、あなたの悩みや症状がMTカウンセリングに適用できるかどうかを判断させて頂きます。

  • なお、もし、このページの内容が参考になりましたら、下のボタンから共有して頂けると嬉しいです。

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