(書痙の原因と克服方法の解説)

  • 1.はじめに

    最近はインターネットの状況も大きく変化してきており、特に健康関連の情報は病院や公共機関、医師など社会的な評価のあるものしか目に付かなくなってきているように思います。

    このため、この私のところの手の震えに関する情報をまとめたページも、以前は「書痙」のキーワードで検索するとトップ10以内には入っていたのですが、今は100位にも入らない状態になっています。

    しかし、このページのテーマである書痙など、今の病院では対応できないような悩みも、現実には多くあると思います。

    しかし、書痙は森田療法により克服できるという貴重な情報が今は多くの人の目に止まらなくなって来ているように思います。

    このため、今回、暗中模索ながら、ページの全面改定を行いました。

    これによって、今、人前での手の震えに悩んでいる人の目に止まり、その解決のためのお役に少しでも立てればと思っております。

  • 2.書痙とは

    書痙は「しょけい」と読みますが、人前で文字を書く時などに緊張し、手の震えが起こり、恥ずかしい思いをする、という悩みのことを言います。

    結婚式や葬儀での記帳や、旅館やホテルに泊まる時のサインなどで、手の震えに悩んでいる人も、案外、多いものです。

    また、文字を書く時ではなく、宴会などで、お酒をついだり、お酒をついでもらう時に手の震えが起こるという形で現れてくることもあります。

    また、乾杯をする時にコップを持つ手が震えてしまうという例もあります。

    これらも書痙の一つの例だと言えるのですが、「茶痙」(ちゃけい)と言われることもあります。

    会社などで、お客様にお茶を出す時に、手の震えが起こり悩むということも多いために、このように呼ばれるのではないかと思います。

    なお、書痙も、あがり症の悩みに入るものなのですが、私の経験から言うと、ある程度の年齢で、働き盛りの人に多いように感じます。

    例えば、個人で事業をしている人とか会社の管理職をしている人などに比較的多く見られる傾向があるように思います。

    また、むしろ書道を習ったりしており、人から字が上手だと言われるような人の方が書痙に悩むことが多いように思います。

    これは、こういう人達は人前で字を書く機会が多かったり、あまり下手な字が書けないという思いが強いからではないかと思います。

    そして、書痙に悩む人は、同じあがり症でも、人間関係に伴う不安や緊張は、それほど感じていない人が多いように思います。

    つまり、人付き合いに関しては特に問題はなく、文字を書く時だけに症状を感じる人が多いように感じます。

  • 3.書痙かどうかのチェック

    下に具体的な例を挙げましたが、これらの項目をチェックして、ご自分の今の状態が当てはまるかどうかを確認してみて頂ければと思います。

    そして、このチェックリストの項目が3つ以上当てはまるかどうかで、今のあなたが書痙の状態に陥っているかどうかの大まかな判断が出来ると思います。

    1)結婚式や葬儀の記帳の時に手が震えてしまう。
    2)片手でスマートフォンを持つと手が震えてしまう。
    3)書類を書く時に手が震えて字がうまく書けない。
    4)作業をしている時に人が見ていると手の震えが起こる。
    5)人前で字を書くと手が震えてしまう。
    6)手が硬直し、サインが上手く書けない。
    7)震えの不安のため銀行で書くべき書類を持ち帰ってしまう。
    8)お茶を出す時に手が震えて、こぼしてしまうのではと不安。
    9)宴会でお酒を注いでもらう時にコップを持つ手が震える。

  • 4.書痙の状態に陥っている時に同時に起こりやすい悩み

    書痙の具体的な表れ方は、今、上に書かせて頂いた通りですが、これらの状態の時に同時に起こりやすい悩みもありますので、この主なものを挙げさせて頂きます。

    1)人間不安
    書痙に限らず、心に悩みを持っている時は誰でも、劣等感や不安を異常に強くしているものだと思います。
    そして、相手から変に思われたらどうしようといった人間的な不安を感じていることが多いと思います。
    つまり、字を書く時に手が震えて、ミミズがはったような文字になってしまうことで人間的に劣っているように見られるに違いないと感じていることが多いものなのです。
    そして、この結果、周りの人に対して常に不安を感じるようになってしまうことが多いと思います。

    2)対人緊張
    これは、今、上に書かせて頂いた人間不安と同様に相手から見下されるのではないかとか、変に思われるのではないかと感じることで、常に心が緊張状態になっているという意味になります。
    これは人前で顔が赤くなってしまう悩みや、口下手なことで人から小さな人間だと思われていると感じ悩んでいる場合にも見られるものだと思います。
    ただ、書痙の場合は顔が赤くなったり、口下手だったりということは少なく、むしろ人間関係においては普通以上に上手くいっている場合が多いと思います。
    ですから、人前で字を書くような時にだけ対人緊張や不安が起こると言った方が現実に即していると思います。

    3)人目が気になる
    これも顔が赤くなる悩みや口下手の悩みを持っている場合とは異なり、字を書かなければならないような状況の時に起こるものになります。
    つまり、字を書かなければならないような状況でなければ、人目が気になることはないものなのです。
    さきほども書かせて頂きましたが、私の今までの経験からすると、むしろ社交的なタイプの人が多いのが書痙の場合の特徴になると思います。

  • 5.書痙に影響すること

    字を書く時の震えに悩むような人は、人一倍、完全欲が強い神経質性格の場合が多いものなのです。

    つまり、このために、人前で恥ずかしいところを見せてはならないとか、人から褒められるような綺麗な整った文字を書かなければならないと、「かくあるべし」の考えにとらわれやすいものなのです。

    しかし、こういう「とらわれ」があると、ますます字を書く時の手の震えが起こりやすくなってしまうものなのです。

    こういう意味で完全欲が強く、見栄っ張りな面のある性格が大いに影響していると思います。

  • 6.私の体験から書痙について言えること

    今までメールカウンセリングを通して書痙に悩んでいる方のお手伝いをさせて頂いたこともあります。

    この中には病院で診てもらっても原因が分からないという人もいました。

    今は精神科や心療内科の医師でも森田療法のことを会得してる先生がほどんどいないように思います。

    まして、内科や外科の先生の場合であれば、なおさらのことだと思います。

    しかし、書痙に関しては森田療法の創始者である、元慈恵医大教授の森田正馬先生が言われているように、手の震えに対する「とらわれ」が薄れてくれば、これで充分、改善してくるものなのです。

    つまり、書痙は脳や神経の問題ではなく、手の震えに対する「とらわれ」が原因だと言えるのです。

    そして、森田療法の学習をしていく中で自覚が深まり「目的本位のクセ」が身についてくると、これに比例して「とらわれ」が薄れ、この結果として書痙が治ってくるものなのです。

    しかし、残念なことに今は病院に行っても薬を出されるだけであり、こういった森田療法の考え方は、ほとんど日の目を見なくなっているように思います。

    そして、つい最近まではインターネットの世界では、森田療法の考え方が、かろうじて日の目を見ていましたが、ここに来て、またしても日の目を見なくなってきているように思います。

    ですから、今、人前で字を書く時の手の震えに悩んでいる人は、かろうじて残されていた解決の糸口に出会う機会も失われつつあると言って良いのではないかと思います。

  • 7.原因

    さきほども書かせて頂いたように、書痙は脳や神経の異常から来るものではなく、手の震えにより人から変に思われたらどうしようという「とらわれ」から来るものなのです。

    ですから、いくら薬を飲んでも、また、手の神経の手術などをしても、これでは治らないと言えるのです。

    しかし、森田療法の学習をしていく中で、手の震えに対する「とらわれ」が薄れてくれば、これで充分、改善してくるものなのです。

  • 8.原因が書痙ではない場合の対応

    パーキンソン病や脳梗塞といった純粋な体の異常から手の震えが起こることもあります。

    しかし、これらの場合には字を書く時といった特定の状況の時ではなく、特に手に力を入れていない状況の時にも、震えが起こってくるものなのです。

    つまり、緊張しているかどうかには関わらず、手の震えが起こってくるものなのです。

    ですから、この場合は書痙とは別の症状だと考えた方が良いと思います。

    そして、この場合は原因となる病気に対する対応が必要になってくると思います。

  • 9.書痙が原因の場合の克服方法

    書痙に悩んでいる時は、字を書く時の手の震えを、ぜったいにあってはならない異常なものとか、恥ずかしいことと考え、排除しようとしているものです。

    そして、このために人前で字を書くことから逃げていることが多いものなのです。

    しかし、このように手の震えに対する不安に引きずられ、人前で字を書くことから逃げてしまうと、一時的には楽が出来たとしても、長い目で見ると、ますます「とらわれ」を強くし、人前で字を書く時の手の震えを起こしやすくなってしまうものなのです。

    ですから、まず、手が震えても必要な文字が書ければ充分なんだと受け止め、人前で字を書くことから逃げないようにしていくのが、第一歩になると思います。

    そして、この上で、目的本位や「あるがまま」など、森田療法の考えに従って行動するようにしていくと、「行きつ戻りつ」しながらも手の震えに対する「とらわれ」薄れ、これに伴って、少しずつ書痙から解放されてくるものなのです。

  • 10.まとめ

    今まで、人前で字を書く時の手の震えの悩み、つまり、書痙について、色々書かせて頂きましたが、心にピンとくるものがあったでしょうか。

    もし心にピンとくるものがあった方は、こちらのページから、今のあなたの悩みのことなどを書いて送って下さい。

    送って頂いた内容を拝見し、あなたの悩みがMTカウンセリングを通して森田療法の学習をすることで克服できるかどうかを判断させて頂きます。