(原因と克服方法の解説)
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更新日 2024.11.24
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1.はじめに
対人緊張は人前で緊張し構えてしまい、声が震えるとか、言葉が出てこなくなるといった形で起こることが多いものです。
神経症の一種であるあがり症や対人恐怖症の特徴の1つでもあるために、これと同じ意味で用いているサイトも多いように思います。
また、最近は検索サイトでも対人恐怖症と同じ言葉として扱っているように思います。
しかし、このサイトでは対人恐怖症の症状の1つとして考え、解説させて頂きます。
なお、最近は社会不安障害とか、コミュ障といった言葉を見聞することが増えてきましたが、これらにも共通して見られるのが、この対人緊張ではないかと思います。
ですから、今、社会不安障害とか、コミュ障といった症状で悩んでいる人にも参考にして頂けるのではないかと思います。
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2.対人緊張とは
対人緊張は赤面や発汗などの対人恐怖症の症状が引き起こされる前段階の状態だと言って良いのではないかと思います。
つまり、人前であがってしてしまい思うように話が出来なくなってしまうとか、人前で発表するような時に足や手、声が震えてしまうという対人恐怖症の症状のベースになるのが、対人緊張だと言って良いと思います。
普通の人でも一対一で面と向かって座ったりした時は、ちょっと緊張してしまうものですが、この度合いが強くなり慢性化しているのが、対人緊張に悩んでいる状態だと言っても良いと思います。
ただ、このサイトで対象としているのは人前で緊張してしまうことを、自分自身で悩んでいる神経質性格の特徴を持った人の場合になります。
つまり、親御さんがご自分の子供を見て人前で緊張しているように感じるといった場合は一概に神経症から来ている症状とは言えなくなります。
神経症から来る対人緊張の場合は自分自身で悩むというところに特徴があるのです。
また、うつ病の場合にも対人緊張の症状が見られることがあると思います。
しかし、この場合も神経症から来ているものではありませんので、別の対応が必要になってくると思います。
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3.原因
神経質性格の特徴を持っている人の中で人から良く思われたいという欲求の強い人は、人から変に思われたらどうしようという不安も強くなるものなのです。
そして、この対人不安だけに目を向け、これを無くそうとしてしまうことで、ますます人前での不安を強くし、この結果、対人緊張の症状が起こってくるのが原因だと言えます。
つまり、統合失調症などとは異なり、脳や神経には異常がないのです。
一人の時とか、家族など親しい間柄の人の前では対人緊張の症状が起こることがないのも脳や神経に異常がないということの証拠になるのではないかと思います。
なお、たまたま、授業を受けている時に緊張し顔が赤くなってしまった、というような恥ずかしい経験が「キッカケ」になって対人緊張の症状にとらわれるようになることが多いものなのです。
ですから、一種のマイナスの「クセ」が身に付いた状態だと言っても良いのではないかと思います。
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4.克服方法
神経症が原因の場合は人から変に思われたらどうしようという不安に対する「とらわれ」が出来た状態だと言って良いと思います。
つまり、対人緊張に悩んでいる時は、人前で緊張して当然の時でも、これを異常なものとか、恥ずかしいことと考え、排除しようとしているものなのです。
そして、このために、ますます人前での緊張を強くしてしまうという「悪循環」に陥っているものなのです。
ですから、まず、今は神経症に悩んでいる最中だから人前で緊張して当然なんだと受け止めるようにしていくのが、第一歩になると思います。
そして、この上で、目的本位や「あるがまま」など、森田療法の考えに従って行動するようにしていくと、人前での緊張を必要以上に大きくしなくて済み、少しずつ楽になってくるものなのです。