(原因と改善のための解説)

  • 更新日 2025.05.17
  • 1.症状の解説

    失笑恐怖症は笑い恐怖とも言われますが、対人恐怖症の中の笑顔恐怖症表情恐怖に近い症状なります。

    具体的には会議とかお葬式の時など、笑ってはいけないような場所で笑いたくなってしまうとか、実際に笑ってしまう、という形で現れる症状になります。

    そして、また、以前のように笑顔になってしまったらどうしようと不安を感じてしまうのも特徴の1つだと言えます。

    なお、失笑恐怖症の場合は大笑いしてしまうということはなく、ニヤニヤしてしまうとかニタニタしてしまうといった他人に気付かれるかどうかといった感じの笑顔になる場合がほとんどだと思います。

  • 2.原因

    失笑恐怖症の原因は他の対人恐怖症の原因と同じになります。

    つまり、神経質性格を持った人が、誤った認識に基づいて、誤った方向の行動を繰り返してしまうために起こってくるものなのです。

    笑ってはいけないような場所で笑ってしまうことで、人から変に思われるに違いないと考え、会議や葬儀などの場所を避けたりといった具合で失笑恐怖の症状だけに目を向け、これを無くそうとして行動してしまうことで、逆にますます症状に対する、とらわれを強くしてしまうものなのです。

    森田療法では、これを症状に引きずられた気分本位の「はからい」の行動と言っていますが、こういう行動を繰り返すことで失笑恐怖症の症状をますます強くしてしまうものなのです。

    つまり、他の神経症の場合と同様に体質とか脳や神経の異常のために起こってくるものではないのです。

  • 3.改善法

    今、上にも書きましたが、失笑恐怖症は笑ってはいけないような場所で笑ってしまうという症状を異常なものだと考え、これをごまかそうとしてしまうことで、逆に、ますます強くなってしまうものなのです。

    ですから、まず、笑ってはいけないような場所で笑ってしまうという症状を、時には誰にでも起こる普通のことなんだと受け止めるようにしていくことが大切になってくるのです。

    そして、この上で、目的本位など森田療法の考え方に沿って行動するようにしていくと、少しずつ症状のとらわれが薄れてきて、これに比例して失笑恐怖症の症状が起こらないようになってくるものなのです。