(具体的な説明)

  • 更新日 2021.06.19
  • 1.潔癖症とは

    潔癖症は森田療法では不潔恐怖とも言われ、強迫神経症の一種になり、不完全恐怖と重なる面の多い症状だと言えます。

    色々なことを汚く感じてしまう潔癖症は何度手を洗っても、まだ汚れているような感じがして気が済まない。

    このために、何回、何十回と手を繰り返し洗ってしまう、といった形で現れてくることが多いものです。

    このように、不潔感に引きずられて行動してしまうと一時的には落ち着くことが出来ても、長い目で見ると余計に不潔感が気になるようになってしまうものなのです。

    そして、最後には手洗いに何時間もかけてしまうという状態になり、日常生活に支障が出てきてしまうことも、潔癖症の場合には良くあるものなのです。

    また、色々なことを汚く感じてしまう潔癖症の場合でも、他人の病気が移るのではないかという恐怖を感じることもあるため疾病恐怖と重なる場合も出てきます。

    潔癖症の具体的な現れ方をまとめてみますと下記のようになります。

    <潔癖症の具体的な現れ方>
    ・何度、手を洗っても、汚く感じ気がすまない。
    ・不潔な感じがして、電車やバスの、つり革につかまれない。
    ・何回、掃除をしても、綺麗になっていないように感じる。
    ・汚れている気がしてホテルのコップは洗ってからでないと使えない。
    ・ばい菌がついているように感じトイレの便座に座れない。
    ・不潔な感じがして、トイレのノブを触れない。
    ・部屋の掃除をする時、アルコールで拭かないと気がすまない。
    ・温泉や銭湯で、特に洗い場の椅子が汚く感じて使えない。
    ・お札やコインが汚く感じ、触れない。
    ・恋人のキスを拒んでしまう。
    ・1日に何度もシャワーを浴びたりしてしまう。

  • 2.克服法

    色々なことを汚く感じてしまう潔癖症に悩んでいる時は不潔さを感じて当然の時でも、これを異常なことだと考え排除しようとしていることが多いものなのです。

    しかし、このために逆にますます不潔さや汚さを強く感じてしまうという「悪循環」に陥っていることが多いのです。

    ですから、潔癖症の場合はまず、今は不潔さや汚さを感じて当然なんだと受け止めるようにしていくのが第一歩になると思います。

    また、不潔さや汚さに引きずられて手を洗ったりすることを減らすようにしていくことも大切になってきます。

    そして、この上で目的本位など森田療法の考えに従って行動するようにしていくと、「行きつ戻りつ」しながらも不潔さや汚さを必要以上に大きくしなくて済むようになり、潔癖症を克服することが出来るものなのです。

    なお、潔癖症の場合も他の神経症と同様に薬による治療だけでは根本的な克服には結びつかないことが多いと思います。