(症状の原因と薬を用いない克服法の説明)

  • 1.はじめに

    このページは、今、パニック障害に悩み病院に通い薬を飲んでいるけれど、なかなか症状が改善しないという人に読んでいただければと思っています。

    今は病院でパニック障害という診断がされるとSSRIといった薬を処方されるのが一般的になっていますが、こういった薬で表面的に不安や症状を抑えても、これでは根本的な対策にはなっていないと言えるのです。

    そして、このために、パニック障害で何年も心療内科や精神科の病院に通い薬を飲み続けている人が増えているのだと思います。

    しかし、これはパニック障害の根本原因に対する対策が取られていないために起こっていることに過ぎないのです。

    つまり、森田療法の学習によりパニック障害の根本原因に対する対策を取るようにしていけば、充分、症状を克服していけるものなのです。

    ですから、今、パニック障害に悩み、思うように症状が改善しない人は、このページの内容を参考にして克服のためのヒントにして頂ければと思っております。

  • 2.パニック障害とは

    この症状は従来から不安神経症と呼ばれていたものと同じなのです。
    また最近ではパニック症と呼ばれることも多いようです。

    電車や飛行機といった乗物に乗っている時に突然、激しい動悸や立ちくらみ、心臓の痛み、胸痛、窒息感、離人感、発汗、頻脈、ふるえ、息苦しさ、胸部の不快感、ふらつき、めまいなどの症状が起こり、パニックになり、このままでは死んでしまうのではないかと強い不安感に襲われるのがパニック障害の特徴になります。

    また、この突然の動悸や立ちくらみなどの症状が「パニック発作」と言われているものになります。

    ただ、この「パニック発作」は、どんなに激しくても10分から1時間以内には治まってくるものなのです。

    また、この「パニック発作」のために慌てたり混乱してしまい、救急車を呼んで病院に運び込まれる人も多いですが、病院で先生の診察を受ける頃には発作が消え、血液検査や心電図検査をしても特に異常が見られないということが多いものです。

    つまり、パニック障害は脳とか心臓の検査をしても特に異常は見当らないのに、パニック発作を繰り返してしまうというところに特徴があります。

    そして、「またパニック発作が起こったらどうしよう」と予期不安を感じるのも、パニック障害の場合の特徴だと言って良いと思います。

    また、パニック障害に悩んでいる時は、この予期不安に引きずられて電車に乗ったり、人中に出ることを避けてしまうことで、会社や学校といった社会生活に支障が出てしまうことが多いものなのです。

    これが森田療法で言っている気分本位の行動ということになるのですが、これもパニック障害の場合の特徴になると言って良いと思います。

    そして、パニック発作と予期不安と気分本位の行動という悪循環の繰り返しの中で、ますますパニック障害の症状を強くしてしまうものなのです。

    なお、パニック障害は100人に1人位は発症すると言われていますので、それほど珍しい症状ではないと言って良いと思います。
    また、円広志、堂本剛、岡村隆史、中川家、といった芸能人やお笑い芸人の中にも、パニック障害に悩んだことのある人が多いものなのです。

    なお、パニック障害自体は命に関わるようなことは、けっしてありませんので、この点は安心して良いと思います。

    また、パニック障害は乗物恐怖症とか外出恐怖、高所恐怖症、飛行機恐怖症、MRI・CT恐怖症、外食恐怖、留守番恐怖など、いろいろな形で現れてきますが、いずれも「死の恐怖」を直接的に感じるという点に特徴があります。

    対人恐怖症や、あがり症の場合には村八分といった「社会的な死の恐怖」を感じるものなのですが、パニック障害の場合には「このまま死んでしまったらどうしよう」といった形で「直接的な死の恐怖」を感じるものなのです。

  • 3.ある方の体験例

    パニック障害に悩んでいる場合の一例を挙げますと、下記のようになります。


    (パニック障害に悩むHさんの例)

    主婦で会社員であるHさんは閉塞感が気になり長い時間、飛行機に乗れなかったり、エレベーターのような狭く窓のないような所へ行けないということで悩んでいました。
    しかし、こういう辛い症状を抱えながらも社交的で仕事はバリバリとこなすため会社からも評価されていました。
    ただ、上のような症状や訳の分からない不安があるために心療内科の病院に行ったところ、パニック障害だと診断され、何種類かの薬を処方されました。
    そして、この薬を飲むようにしたところ、いくらか不安や辛さが和らぎ、過ごしやすくなってきました。
    しかし、この反面、眠気を感じやすくなり、仕事に対する集中力が衰えてくるようになりました。
    また、一時は閉塞感などの症状を克服できたように感じましたが、数ヶ月すると、また以前のように症状を感じるようになってきました。
    このためHさんは焦ってしまい、今度は漢方の薬局に相談に行き、漢方薬を飲み始めました。
    漢方薬の場合も、初めの半年位は効果が感じられましたが、その後は効いているのかどうかが良く分からない状態でした。
    また、毎月薬代に1万円もかかるために、このまま続けて良いのかどうかと悩んでいました。
    しかし、薬を飲まないと不安で、なかなか薬を止めることが出来ず、困ってしまい、MTカウンセリングを受けることになりました。


    上記のHさんのように、パニック障害に悩む人は社交的で、対人恐怖症に悩む人のように人見知りするとか恥ずかしがり屋という面が少なく、むしろ外向的に見える人が多いというのも特徴になります。

  • 4.パニック障害の具体的な症状(診断基準)

    アメリカ精神医学会の「精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-Ⅳ)」内のパニック障害の診断基準では下記の13のチェック項目のうち、4つ以上当てはまると、パニック障害の可能性があるとされています。

    1)心臓のドキドキや、脈拍の増加がある。
    2)手や脇など身体に冷や汗をかく。
    3)身体や手足の震えが起こる。
    4)息切れや、息苦しさを強く感じる。
    5)窒息感や喉が詰まった感じがする。
    6)胸の痛みや不快感を感じる。
    7)吐き気や腹部の不快感を感じる。
    8)めまいやふらつき、気の遠くなる感じがする。
    9)離人感や現実ではない感じがする。
    10)コントロール不能や発狂に対する恐怖を感じる。
    11)このままでは死んでしまうのではないかと死の恐怖を感じる。
    12)しびれや、うずきなどの異常な感覚が起こる。
    13)冷感や熱感を感じる。


  • 5.原因

    パニック障害の原因として、今は、脳内の恐怖や不安に関係している神経伝達物質である「ノルアドレナリン」と、興奮を抑える神経伝達物質である「セロトニン」とのバランスが崩れるためという考えが主流になっています。

    これは、ある患者に、たまたま抗うつ薬の投与(脳内のセロトニンが増加する治療)を行なったところ、パニック障害の改善がみられたという論文が根拠になっているのです。
    しかし、この論文は症例が少なく、それほど信頼性の高いものではないと言われています。

    しかし、脳内の神経伝達物質のバランスが原因ということにすれば、抗うつ薬などの薬物療法で対応できるということで、今は、この説が主流になっているのではないかと思います。

    この他にも、不安を抑える働きのある神経伝達物質であるギャバのレセプターや連結しているベンゾジアゼピン・レセプターの感受性に問題があるという説や、遺伝やストレスが関係しているという説もあります。

    これらに対して森田療法ではパニック障害の原因を「死の恐怖」に対する「とらわれ」だと考えています。

    つまり、突然の動悸や息苦しさといったパニック発作の症状のために、このまま死んでしまうのではないかと「死の恐怖」を感じるような出来事があると、これを「キッカケ」にして予期不安を感じるようになるものなのです。

    そして、この予期不安に引きずられ電車に乗るのを避けたりする、気分本位の行動を取るようになってしまうものなのです。

    そして、この気分本位の行動の繰り返しの中で「死の恐怖」に対する「とらわれ」が出来てしまうということなのです。

    つまり、パニック障害の場合も、他の神経症の症状と同様に、脳や体の異常から起こるものではなく、「とらわれ」という心理的なメカニズムが原因になっていると考えています。

  • 6.病院で行なわれている治療

    心療内科や精神科などの病院においては、パニック障害の治療として、主に脳内神経伝達物質のノルアドレナリンとセロトニンのバランスを改善する薬物療法が行われることが多いと思います。

    薬としては、新しいタイプの抗うつ薬であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や抗不安薬、従来からの抗うつ薬である三環型抗うつ薬などが使われることが多いようです。

    SSRIの中の「パロキセチン」と「セルトラリン」はパニック障害の治療で健康保険が認められているために、より使われる頻度が多いのではないかと思います。

    しかし、禁煙外来治療のように、健康保険で認められるからと言って、明確な効果があるとは言えないと思います。

    また、心理療法として一部では認知行動療法や自律訓練法を取り入れている病院もあるようですが、これらは元々、うつ病のためのものですから、パニック障害の場合には効果に疑問が残ると思います。

  • 7.森田療法による対策

    上記のHさんの例にもあるように、今はパニック障害というと病院ではSSRIなどの薬を処方されることがほとんどですが、この方向の対策では症状の一時押さえにはなっても、根本的な治療や克服には結びつかないことが多いと思います。

    つまり、薬物療法だけに頼ってしまうと、一生薬を飲み続けなければならないということになってしまう可能性があると思います。

    パニック障害に悩んでいる時は、動悸や立ちくらみ、心臓の痛み、窒息感、離人感といった、パニック発作の症状が起こった時に「これは、大変だ」とか「このまま死んでしまったら、どうしよう」と考え「死の恐怖」を感じ、この結果、症状を邪魔者扱いし排除しようとしてしまうために、逆に、さらに不安や「死の恐怖」を大きくしているものなのです。

    しかし、未だかつて、パニック発作のために命を失ったり体に障害を残すようなことになった人は、一人もおりませんので、まず、この事実をきちんと自覚していくことが大切だと思います。

    そして、この上で、目的本位など森田療法の考えに従って行動するようにしていくと、少しずつ自覚が深まり、この結果、「死の恐怖」に対する「とらわれ」が薄れてくるものなのです。

    そして、この結果、動悸や息苦しさといったパニック障害の症状を「あるがまま」に受け止めることが出来るようになり、不安や症状を必要以上に大きくしなくて済むようになってくるものなのです。

    そして、この積み重ねの中で「行きつ戻りつ」しながらも、パニック障害の症状を克服していけるものなのです。

    森田療法では完治と言っていますが、森田療法の学習をしていく中で、パニック障害の症状を「あるがまま」に受け止めることが出来るようになると、「死の恐怖」に対する「とらわれ」が薄れ、この結果として初めて根本的に症状が治る、つまり、完治してくるものなのです。

    ですから、これがパニック障害克服のための一番確実な対策になると言って良いと思います。

  • 8.まとめ

    パニック障害の原因や対策について色々説明させて頂きましたが、今、パニック発作や、その予期不安に悩んでいる方で、心配性や完璧主義といった神経質性格の特徴を持っている人であれば、MTカウンセリングを通して森田療法の学習をしていく中で、症状を克服していくことが可能だと思います。

    なお、無料診断のページから、症状のことなどを書いて、お問い合わせを頂ければ、MTカウンセリングに適用できるかどうかを判断させて頂きます。