(症状と原因、薬に頼らない治し方)

  • 1.はじめに

    強迫神経症は例えば、自分の鼻の先が視界に入り気になるというように、小さな、細かいことが気になってしまうという心の悩みになります。

    また、自動車で通勤している人が自分では気づかないうちに人を跳ねてしまったのではないかということが気になり、走ってきた道を何度確認しても不安になってしまうという形で現れることもあります。

    このように1つのことが気になり、頭から離れない状態になってしまうのが強迫神経症の特徴ですが、これは科学技術が進歩した今でも変わらずに多く見られる症状なのです。

    このページをご覧になっているあなたも、もしかしたら、こういった悩みを持っているのではないかと思います。

    そして、もし、そうであれば、このページの内容は、きっと、あなたのお役に立てると思います。

    今は精神科などの医療機関にかかり、SSRIといった抗うつ薬を処方され、これを何年も飲み続けている人が多いのではないかと思います。

    しかし、強迫神経症は森田療法の創始者である、元東京慈恵会医科大学教授である森田正馬先生も言われているように「とらわれ」という心理的な原因から起こるものなのです。

    ですから、この「とらわれ」がなくなることで、初めて根本的に治ってくるものなのです。

    つまり、いくら薬を飲んでも、「とらわれ」がなくならない限り、治らないと言えるのです。

    なお、森田療法は昔は医療機関で行われる治療を通して、その考え方を身につけるのが普通でしたが、今は、(NPO 法人)生活の発見会やメールカウンセリングを通して森田理論を学習するという形で身につけるのが一般的になっていると思います。

  • 2.強迫神経症とは

    さきほども書かせて頂きましたが、強迫神経症は一つの物事に対してとらわれ、細かい小さなことが気になる状態が続くというの特長の症状になります。

    最近は強迫性障害と呼ばれることが多くなったと思います。

    誰でもショックな出来事があったりすると、しばらくは、この出来事のことが心から離れなくなってしまいますが、これは自然な形での「とらわれ」ということになると思います。

    しかし、強迫神経症の場合は、この「とらわれ」が、いくら時間が経ってもなくならないものなのです。

    自然な形での「とらわれ」であれば、ショックな出来事から時間が経つにつれて薄れてくるのですが、強迫神経症の場合の「とらわれ」は、逆に、時間が経つほど強くなってしまうものなのです。

    外出する時に家の鍵を閉め忘れたのではないかと気になってしまうことは、誰にでもあることだと思います。

    しかし、普通は少し時間が経てば、自然に忘れてしまうものなのです。

    これに対して強迫神経症に悩んでいる時は、なかなか忘れることが出来ず、家に戻って鍵がかかっているかを確認してしまうことも多いものなのです。

    しかし、一度、確認しても、また、少し経つと気になってしまうというパターンになっているのです。

    このように1つのことが気になり頭から離れないとか、小さな細かいどうでもいいことが気になるというのが強迫神経症の症状に共通することになります。

    そして、この症状に悩む人は心配性や完全欲の強さといった神経質性格の特徴を持っている人に限られるものなのです。

    つまり、神経質性格ではない人の場合は統合失調症などの心の病気の可能性が高くなると思います。

  • 3.ある方の体験例

    強迫神経症に悩んでいる人の一例を挙げますと、下記のようになります。


    (強迫神経症に悩むAさんの例)

    Aさんは現在、27歳の女性で会社員をしています。

    ご祖父母、ご両親、お兄さんとの6人家族の中で育ったとのことです。

    小さい頃は病気をすることもなく、食べ物の好き嫌いもない手のかからない子供だったようです。

    ただ、お母さんとご祖父母との仲が悪く、お母さんがAさんを連れて自分の実家へ帰ることも何度かあったようです。

    そして、神経質だったお母さんは家での不満を紛らわすためにAさんを必要以上に可愛がり、過保護に育てたとのことです。

    中学生になった、ある日、お母さんに連れられて近所の美容院で髪をカットしたところ、自分で考えていた以上に髪が短くなってしまい、鏡に写った自分を見て、なんと醜いんだろうと感じたとのことです。

    翌日、学校で、みんなが自分を見て、醜いと思っているような気がしたとのことです。

    それから数日後、隣の席の男子から「変な顔」と言われたことでショックを感じたようです。

    ただ、中学生時代は自分の顔について悩みながらも、それほどとらわれることもなく楽しく充実した毎日を過ごしていたということです。

    高校に入り、バス通学や初めての女子だけのクラスになったことなどで、とまどいを感じることが多かったようです。

    また、その学校は先生も生徒もいい加減な状態であったため、真面目に勉強するのがバカらしくなり、勉強する意欲が失せてしまったとのことです。

    そして、高校1年の3学期のバレンタインデーの日に中学校から一緒で以前から憧れていた男子に、友達の力を借りながらも、やっとの思いでチョコレートを渡したけれど、相手にされることはなかったということです。

    そして、この男子には可愛い好きな女子がいることが分かりました。

    この出来事がきっかけになり、自分がブスだから相手にしてもらえなかったんだという思いが強くなったとのことです。

    そして、ここから自分の容姿にとらわれ始め、自分のようなブスは誰からも相手にされない、自分のようなブスは生きている資格などないのではないかと、毎日悩むようになってしまいました。

    そして、通学のためにバスに乗る時など他の乗客の視線が怖く、バスに乗るのが苦痛で学校に行くのがますます嫌になってしまったとのことです。

    また、バスに乗る時はもちろん、学校で廊下を歩く時も常に下を向いているようになってしまったとのことです。

    こういう状況の中、勉強にも身が入らず、高3の終わりの頃には後ろから数えて五本の指に入るところまで成績が落ちてしまったということです。

    このため大学に行くのをあきらめ、専門学校に進み、専門学校を卒業し社会に出ることになりました。

    専門学校の頃は寮生活で初めての一人暮らしということで新鮮な気持ちになり、症状のことも、そのうち何とかなるだろうというくらいにしか考えていませんでした。

    ただ、勤め始めて1年後に、仲良しで仕事の面倒も見てもらっていた先輩が退職したことで不安になり、彼女の後を追って退職したとのことです。

    そして、今度は学校で取った資格を生かしパソコンを使う仕事に就くことになりました。

    ただ、この会社が東京の青山にあり、場所柄、道行く人はおしゃれな人が多く、自分は青山には似合わないと思い始めたころから、また、容姿に対するコンプレックスの症状がぶり返したとのことです。

    道行く人が振り返って自分を見ているような感じがしたり、実際に見られているような感覚があったとのことです。

    しかし、こういう辛さを感じながらも出勤は続けていました。

    しかし、勤め始めてから1年半くらい過ぎたころに会社の経営が悪くなり、人員整理があったことから、Aさんも、これに連れられて退職をしたということです。

    そして、その後に努めた会社も同僚との人間関係の悪化や容姿コンプレックスの症状のために退職することになり、この頃には不眠や憂鬱感などの症状も起こるようになっていました。

    このため、心療内科の病院に行きカウンセリングと薬の治療を受けることになりました。

    しかし、薬を飲むと、一日中眠気が起こるために、飲むのをやめました。

    また、カウンセリングに通っても不眠や不安、憂鬱感はなくならず、ますます、症状が強くなってしまったために田舎に帰ることにしたとのことです。

    実家に帰り、ホッとすることは出来たけれど、毎日、抜け殻のような生活をしていたとのことです。

    そして、ある夏の日に帰省してきたお兄さんに症状のことを話したところ、お兄さんから、「それは神経症だ、自分も神経症をやったことがある」と打ち明けられたとのことです。

    そして、お兄さんが貸してくれた森田療法の本を読み、これをキッカケとして森田の学習をすることになり、暗いトンネルを抜け出すことが出来たとのことです。


    Aさんの場合は、髪を短くカットし過ぎたことが「キッカケ」になり、自分の容姿の醜さに対する「とらわれ」が出来てしまったということになりますので、これは醜形恐怖と言われている強迫神経症の症状ということになると思います。

    また、不眠や憂鬱感といった症状も併発したことでAさん自身も、自分をうつ病ではないかと考え、心療内科の病院に行くことになりましたが、カウンセリングや薬では改善しなかったというところに神経症の特徴が表れているように思います。

  • 4.強迫神経症の代表的な具体的症状

    代表的で具体的な症状は下記に示したようなものになります。

    1.勉強や仕事をしている時に雑念や雑音が気になるため集中できない。

    2.更衣室などで人の物を盗んだと疑われるのではないかと心配になる。

    3.ビルや東京タワーといった高い所に上れない。

    4.汚れが落ちていないように感じて何度、手を洗っても気がすまない。

    5.地震が来るのではないかと不安を感じてしまうことが多い。

    6.「4」や「9」という数字など、縁起の悪いことが気になってしまう。

    7.スーパーなどで自分が万引きするのではないかと感じてしまう。

    8.神や仏を冒涜するような観念が浮かび辛くなってしまう。

    9.針やナイフ、鉛筆など先の尖った物を見ると、恐くなってしまう。

    10.汚い感じがして、電車の吊革などに触れない。

    11.異性に嫌悪感を感じてしまう。

    12.ガスの元栓や戸締まりなどを何回も見直してしまう。

    13.自分のしたことに自信が持てない。

    14.自分の体が放射能に汚染されてしまったように感じ辛い。

    15.ガンやエイズ、精神病などの病気にかかっているのではないかと不安。

    16.顔の洗い方など、いつもと同じように行動しないと落ち着かない。

    17.人前で字を書く時に手が震えてしまう。

    18.飲み会でお酌をしてもらう時にコップを持つ手が震えてしまう。

    19.笑う時に顔が引きつってしまう。

    20.まぶたがピクピクするのが気になってしまう。

    21.人の中にいる時に脇や額から汗が異常に出てくる。

    22.刃物などを見ると自分が人を傷つけてしまうのではないかと不安になる。

    23.無意識のうちに、おならが出てしまい回りの人から嫌がられる。

    24.自分の体や口の臭いが気になってしまう。

    25.唾を飲み込む音が人に気づかれ、嫌がられているように感じる。

    26.電車に乗っている時などに異性の見てはいけない所に目が行ってしまう。

    27.たたりとか迷信が気になってしまう。

    28.占いの結果が気になり、引きずられてしまう。


    なお、人前で緊張するといった対人関係に関わる症状は除外してあります。

    また、公益財団法人メンタルヘルス岡本記念財団のホームページにも強迫神経症に関する具体的な症状が載っているので参考になると思います。

  • 5.原因

    強迫神経症は、ある1つのことにとらわれてしまう状態ですが、脳とか神経の異常が原因ではないのです。

    最近は脳内の異常物質が原因であると考える大学の先生や医療機関の医師も増えていますが、森田療法においては外的な要因と内的な要因が重なって起こると考えています。

    スーパーで買い物をしている時に、たまたま、店員さんに万引きを間違われたといった出来事があると、これが外的な要因になり、また今度も万引きに間違われるのではないかといった不安が起こってくるものなのです。

    そして、この不安だけに目を向け、不安をなくそうと考え行動してしまうと、これは感情を意志の力で変えようとする不可能を可能にしようとする努力になってしまいますから、不安がなくなるどころか、逆に、ますます強くなってしまうものなのです。

    そして、この繰り返しの中で万引きだと疑われているのではないかという「とらわれ」が出来てしまうものなのです。

    なお、同じような出来事に出会っても神経質性格の特徴を持っていない人の場合は不安をますます強くすることはないものなのです。

    つまり、心配性や完全欲の強さ、負けず嫌いといった神経質性格の特徴を持っている人で、不安を自分の意志の力で変えることが出来るといった誤った考えを持っている場合に、これが内的な要因となり、症状の「とらわれ」が出来る原因になるのです。

  • 6.強迫神経症と間違いやすい病気

    最近は強迫神経症の症状にも関わらず脳や神経の病気だと誤解されることが増えてきていますので、下記にまとめさせて頂きます。

    1.統合失調症
    不潔感にとらわれ何度も手を洗ったり、アルコールで身の回りを必要以上に掃除をしたりする症状の場合や対人関係の緊張などから人を避けたりする場合に、医療機関において医師から、この病気だと診断されてしまうことが多いと思います。

    2.本態性振戦
    この病名は内科的な検査や筋肉や神経などに異常が見られない場合に使われることが多いですが、人前で字を書く時に手が震えてしまうという症状の場合に、内科や整形外科の医師から、この病名を付けられることが多いようです。


    上記の病気と診断され、医療機関に通院しているけれど、なかなか症状が改善しないという方は、強迫神経症の可能性が大きくなると思いますので、

  • 7.薬による治療法

    初めにも書きましたが、今は精神科や心療内科などの医療機関にかかり、SSRIといった抗うつ薬を処方され、これを何年も飲み続けている人が多いのではないかと思います。

    これは「とらわれ」の原因が脳や神経の異常にあるというところから来ているのですが、私自身の経験からも、到底、納得のできるものではありません。

    私自身、人前での緊張や雑音、不潔感などの症状に15年間位、悩んでいましたが、森田療法の考え方を身に付けることで薬を飲むことなく、症状が改善した経験があります。

    この経験からも、けっして脳や神経の異常が原因だとは言えないと思います。 また、MTカウンセリングを通してお手伝いした方々の中には、病院の薬を飲んでいるけれど症状が改善しないということで悩まれている方が多いです。

    これらのことからも、薬による治療法では不十分であるということが言えるのではないかと思います。

  • 8.薬を使わない治し方

    いずれの強迫神経症の症状も完全欲の強さや心配性といった神経質性格の特徴が、その根底にあると考えて良いと思います。

    カギを閉め忘れたのではないかと心配になることは、誰にでも多かれ少なかれあるものですが、これが過度に強くなり、何度も同じ行動を繰り返してしまうといった強迫行為が慢性的になった状態が、強迫神経症だと言っても良いのではないでしょうか。

    対人恐怖症の場合は社会から落ちこぼれたり人間関係が崩れるといった「社会的な死の恐怖」が、その背景にあるものです。

    また、不安神経症の場合は、このまま死んでしまうのではないかといった「直接的な死の恐怖」が背景にあるものです。

    これに対して、強迫神経症の場合は自分自身の「精神的な死の恐怖」が根底にあり、これが原因となって起こる症状だと言って良いのではないかと思います。

    これは言葉を変えれば「完全欲の「とらわれ」」ということになるのではないかと思います。

    強迫神経症に悩んでいる人は、かつての私もそうでしたが、何とかして症状を改善しようと考え、心理学や医学、哲学、宗教といった本を読んだりするものです。

    そして、民間療法を試みたり宗教的な修行に救いを求めたりすることも多いように思います。

    また、最近は、強迫神経症も、うつ病と同じように薬物療法で対応しようとする傾向があるため、薬を飲んでいる人も多いように思います。

    しかし、これらは森田療法の立場からすると、強迫神経症の症状だけに目を向けた気分本位の「はからい」の行動になり、根本原因の改善には結びつかないと思います。

    ですから、一時的には楽が出来たとしても、長い目で見ると、ますます強迫神経症の症状を強くしてしまうものなのです。

    このため、根本的な症状の改善には森田理論の学習により「目的本位のクセ」をつけるようにしていった方が良いと言えるのです。

    つまり、森田理論の学習をしていく中で「目的本位のクセ」が付いてくると、この結果として、完全欲の「とらわれ」という強迫神経症の根本原因が薄れ、症状が根本的に治ってくるものなのです。

  • 8.まとめ

    強迫神経症について色々書かせて頂きましたが、私自身の経験からも、薬による治療よりもMTカウンセリングを通した森田療法の学習による対応の方が効果が期待できると思います。

    ですから、今、あなたが、このページに書かせていただいたようなことで悩まれているのであれば、一度、無料診断のページから、お問い合わせを頂ければと思っております。

    送って頂いた内容から、あなたの悩みがMTカウンセリングに適用できるかどうかを判断させて頂きます。

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